新型コロナウイルスの主なワクチンは、遺伝物質のメッセンジャー(m)RNAを使う新しいタイプだ。
かつてない速さで開発が成功した背景には、ノーベル賞級とも目される重要な発見があり、日本の研究者も関わる。

10月4日からノーベル賞発表を前に、研究内容に迫った。

新型コロナに感染するとヒトの免疫細胞は、ウイルス表面のトゲ状のスパイクたんぱく質を目印として記憶し、次の侵入に備える。
これに対してワクチンは、新型コロナの遺伝情報を持つRNAのうち、スパイクたんぱく質の設計図となる領域から、
たんぱく質合成に直接関わるmRNAを人工的に作る。

ワクチンを接種すると、体内でスパイクたんぱく質だけが合成される。
免疫細胞がこれを外敵と認識することから抗体が生成され、ウイルスへの免疫ができる。
https://mainichi.jp/articles/20210928/k00/00m/040/151000c