富田林市が約2万個の空間除菌用品を「コロナ対策」うたい市民に支給

大阪府の富田林市が、厚生労働省などが推奨しない「空間除菌」をうたう約2万個の雑貨を購入し、そのうち約1万6000個を2021年3月までに市民に配布していたことがわかりました。購入に使われた税金は約4000万円に上るとみられます。

空間除菌は人への有効性や安全性が未確立で、特定の感染症と結びつけて宣伝できないにもかかわらず、「コロナ対策用品」と大々的に表記されており、市民に誤った認識が広まるおそれがあります。(朝日新聞デジタル機動報道部・朽木誠一郎)
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しかし、ここで最も多い1万9300セットが準備されていた「基本セットA」の内容は、空間除菌をうたう大幸薬品のクレベリンと、2種類の除菌スプレーでした。これらは医薬品や医療機器ではなく、法律上は「雑貨」に該当するものです。

特に空間除菌については、WHOや厚生労働省など公的機関が非推奨の立場を明確にしています。空間除菌用品は人への有効性や安全性が未確立で、医薬品や医療機器として承認されていない雑貨であるため、医薬品医療機器等法(薬機法)により、新型コロナウイルスという特定の病原体への効果をうたえない商品です。​​

薬機法に基づくチェックをする大阪府生活衛生薬務課によれば、雑貨の宣伝で「コロナ対策」とうたえば、薬機法に抵触するとのこと。だから販売側は宣伝時に、直接には人への効能効果に言及しません。そんな空間除菌を、行政が「コロナ対策」として打ち出してしまったことになります。

税金約4000万円で購入