発電所の燃料などに使われるLNG=液化天然ガスの価格が一時、去年の同じ時期の10倍以上の水準となり高騰しています。
冬場に想定以上の寒さとなると、電気料金の値上がりにつながるおそれも出てきています。

LNGは海外から船で運ばれ、発電所の燃料や都市ガスの原料として使われています。
そのLNGをすぐに取り引きする際の価格=スポット価格は、
アジア地域で今月6日、去年の同じ時期の10倍以上の水準となり、過去最高値を記録しました。

背景には、脱炭素化を進めたい中国が石炭火力からより二酸化炭素の排出が少ない天然ガス火力に移行し、多くのLNGを購入していることがあります。

JOGMEC(=石油天然ガス・金属鉱物資源機構)によりますと、
ことし1月から9月までの中国の輸入量は5800万トン余りとなり、世界最大の輸入国である日本の5600万トン余りを初めて上回りました。

日本の多くの電力会社はLNGの8割程度を長期の契約で調達しており、スポットの価格はすぐには影響しません。

ただ、冬場、想定以上の寒さとなるとLNGをスポットで大量に購入しなければならず、電気料金の値上がりにつながるおそれも出てきています。

経済産業省は各社に、寒波に備えて多めの在庫を確保するよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211017/k10013310741000.html