10月19日、第49回衆院選が公示された。31日の投票日まで、各党がそれぞれの公約を掲げつつ、12日間の選挙戦をたたかうことになる。

 今回の選挙では、喫緊の課題である「新型コロナウイルス対策」のほか、消費税問題や再生可能エネルギーの導入、夫婦別姓の是非など、幅広い論点が示されている。岸田首相にとって大事な初陣となるが、それを支えるのが、自民党幹事長である甘利明氏だ。

「幹事長起用について岸田首相は『適材適所』と語っています。たしかに甘利さんは、安倍晋三・元総理や麻生太郎・自民党副総裁と並び、『3A』と呼ばれる党内の重鎮です。しかし、甘利さんは麻生派で、安倍さんの盟友です。安倍さんと麻生さんに総裁選で支援してもらったお礼として入閣したのではないかと囁かれています。

 また、都市再生機構への口利き依頼のため、千葉県の建設会社から総額1200万円を受け取ったことが『週刊文春』で報じられており、いまだきちんとした説明はされていません。有権者は甘利さんにクリーンなイメージを抱いているとはいえないでしょう」(政治ジャーナリスト)

 選挙を控え、甘利幹事長は率先してメディアに登場し、さまざまな政策を提言している。

「10月17日には、NHKの討論番組『日曜討論』に出演し、30基の原子力発電所を再稼働させるべきと語りました。従来の原発ではなく、出力の小さい『小型モジュール炉』への切り替えを前提としていますが、脱原発の世論が根強いことを考えると、かなり大胆な発言です。

 これに対して、SNSでは《「安全な原発」そんなものはない》《安全な原発があるんなら屋根の上にソーラーパネル載せなくてもお庭に原子炉置けるよね》など数多くの批判が寄せられました。

 温室効果ガス削減のため、原発が有効なのは確かですが、そもそも甘利氏のパーティー券を電力各社が分担購入してきたことが2014年に報じられるなど、甘利氏と電力会社の深い関係はよく知られた話です。これではまったく説得力がないでしょう」(同)

(略)

甘利氏が頑張って発言すればするほど、自民党の評判を落としているとの声もある。こうした批判に、いったいどのように答えるのか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/54365084a32c5e46e48fb082123f7291ae69d670