スウェーデン家具大手イケアグループの日本法人イケア・ジャパン(千葉県船橋市)が、
JR広島駅北口の二葉の里地区(広島市東区)の新店予定地を売却したことが5日、分かった。
中四国地方初の店となる予定だったが、広島への出店は白紙になった。

イケアは中国新聞の取材に「出店戦略を見直した結果」と説明。
一方で「広島での出店の希望は現在も変わりない。最適な形態、方法を引き続き検討する」とした。売却先や売却額は明らかにしなかった。

売却したのは、2013年6月の国有地の一般競争入札で取得した全1・88ヘクタール。落札額は47億550万円だった。
落札に合わせて同社は、中四国初の出店を発表。広島駅に近く、周辺で再開発が進む立地の良さを挙げていた。
ただ当初から開業時期や施設の概要は「未定」とし、15年から予定地は時間貸しの平面駐車場として使われている。

中国財務局によると、イケアの新店予定地は「業務・商業等の機能が複合した土地利用」との地区計画を前提に売った。だが着工しないまま8年が経過していた。

一帯は複合ビルや広島東署、分譲マンションなどが次々と完成し、地価も上がっている。
国土交通省の公示地価(毎年1月1日時点)によると、東区二葉の里は今年、1平方メートル当たり74万2千円。
調査対象となった17年から上昇を続け、約1・5倍となった。

イケアは1943年の創業。自分で組み立てる低価格の家具のほか、キッチン用品や文房具、雑貨などデザイン性と機能性を重視した商品を扱う。
関東を中心に関西や九州に13店。主に郊外で大型店を展開してきたが、近年は都心部でのテナント出店に力を入れている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1f35136c8f11a73fca163d5b6640b5674f34d297

駐車場としての利用が続くイケアが売却した土地。手前右のビルはイズミ本社(広島市東区)
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【地図】イケアが売却した土地は、広島駅に近い好立地
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