動物ニュース2021.12.30 Thu 15:30

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アクアリウム用品の開発・製造を行うジェックスは、琵琶湖博物館の大塚泰介総括学芸員と共同で、室内メダカ飼育容器に出現する珪藻種を明らかにする調査を実施、その結果を発表した。

アクアリウムではコケと呼ばれる藻類が出現する。中でも茶ゴケと呼ばれる珪藻は多くの飼育容器で確認されている。そこで調査を行った結果、室内メダカ飼育容器一つあたり、0〜11属 0〜17種の珪藻が出現していることがわったという。また、調査を行った50本の容器から、25属 62種の珪藻が確認されたそうだ。

確認された珪藻は、中性や好アルカリ性の種が見られ、好酸性の種も一部あった。最も多く確認されたのは、Cocconeis lineata(和名:コメツブケイソウ)で、採取した飼育容器の42%に出現していたという。加えて、最も種数が多かった属はGomphonema(和名:クサビケイソウ)で、11種だったという。

メダカを始めとした観賞魚を飼育するアクアリウムにおいて、珪藻は景観を損ね、掃除の手間がかかるため、飼育者の負担となっている。現在、アクアリウム用に藻類を防除する商品が販売されているが、利用者によって効果の感じ方にばらつきが見られる。それは、藻類は種によって生理活性が異なり、アクアリウムにどのような藻類が出現するのか、網羅的に調べた研究が無いに等しい状態だったからである。

そこで同社は、近年人気が高まっているメダカを飼育する環境を調査対象とし、この度の調査を実施した。それにより、最も出現頻度が高い珪藻および最も種数が多い属が判明。同社は、この研究の情報を元に、アクアリウムにおける有効な珪藻の防除商品の開発が期待されるとしている。

なお、同研究は、12月に発行される日本珪藻学会誌『DIATOM』2021年37巻の30〜37ページに論文(短報)として掲載される予定。オンラインでは11月3日より公開されている。

《鈴木まゆこ》

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