※WWDJAPAN 2022/02/18

 「小柄な男性のマイナスイメージを変えたい」。自身も身長162cmも大谷成さん(27)は、そんな思いからD2Cブランド「ユナイテッドアンツ(UNITED ANTS)」を2021年1月にスタートした。全くアパレル経験のなかった大谷さんが、たった1人で手探りで始めて約1年。月商は100万円ほどだが、SNSなどで少しずつ共感の輪が広がっている。

 ブランド開始以来、センタークリースフレアパンツ(税込9900円)とフレアデニムパンツ(同9680円)の2つの商品が人気を集め続ける。低身長の男性にとって最も難易度が高いフレアパンツを最初に手がけた。

 既存ブランドのフレアパンツの多くは、背の低い人が裾上げするとシルエットが崩れる。「ユナイテッドアンツ」では膝位置を少し上にすることで、小柄な男性でも脚長効果を感じられるように工夫した。ウエストの腰の部分にゴムを入れ、さらにヒモも通すことで細身の人にもフィットする。


 購入者からは「自分に合うパンツがようやく見つかった」「助かりました」といった声が届く。大谷さんは「僕も162cmなので満足できる服が少なくて苦労してきました。同じ悩みを持つ男性が共感してくれてうれしい」と手応えを感じる。

 SNSを通じて地道に訴求してきた。「インフルエンサーでも何でもない僕が、『ユナイテッドアンツ』を認知してもらうにはどうすればよいか」を考え、インスタグラムで168cm以下の男性のコーディネートをリポストし、背の低い男性のコミュニティーを形成した。現在のフォロワーは4687(2月18日時点)。「ユナイテッドアンツ」を着た姿をインスタにアップしてくれるフォロワーも増えた。ここを通じて大学生から20代後半のファンが少しずつ積み上がっていった。

 ターゲットは「168cm以下の男性」に設定した。大谷さんによると、日本の3割の男性が対象になり、ニッチな市場とも言い切れない。160cm以下になると、わずか数%まで激減するが、ここでも満足してもらえるブランドを目指す。自分の経験を踏まえ、服へのコンプレックスを払拭してもらいたいと考えるからだ。

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