https://news.yahoo.co.jp/articles/ff9939a0745ccb2acb38907757a3f64c59ee8baa

近年ネット上の誹謗中傷が社会問題となっており、弁護士ドットコムにも被害者・加害者ともにたくさんの相談が寄せられています。厳罰化に向けた議論も進んでおり、政府は3月8日、侮辱罪の刑罰化などを盛り込んだ刑法とその関連法の改正案を閣議決定しました。他の改正法案とあわせて今国会での成立を目指しています。

弁護士ドットコムが一般会員1,355名を対象に誹謗中傷に関する調査を行ったところ、「誹謗中傷をしたことがある」が約1割、「受けたことがある」が約4割となることがわかりました。

また実際に「誹謗中傷をしたことがある」と回答した人の割合を年代別にみると、50代男性(24.4%)が最多、次いで40代男性(22.7%)となりました。また誹謗中傷してしまった理由として、「正当な批判・論評だと思った」など正義感が動機だったことも浮き彫りになりました。

●誹謗中傷の加害者、中高年男性が多い傾向

調査は今年1月、弁護士ドットコム一般会員を対象にウェブアンケートを実施し、1,355名(男性792名、女性551名、その他12名)から回答が得られました。

回答者のうち、「誹謗中傷をしたことがある」のは13%。性年代別にみると、50代男性の比率が最も高く、次いで40代男性も2割を超え、中高年男性の加害経験の比率が高いことがわかりました

●誹謗中傷が投稿されるソーシャルメディアは?

誹謗中傷を投稿したソーシャルメディアとしては、匿名掲示板が最も多く(38.1%)、次いでTwitter(27.3%)、LINE(11.4%)、ニュースメディアのコメント欄(9.1%)と、匿名性の高いメディアに投稿される傾向があることがわかりました。一方で、実名での登録が規約上求められているFacebookでの投稿は6.3%でした。

また、「その他」の中身として、ブログ(5.1%)、GoogleMapの口コミ欄(4.0% )、TikTok(1.7%)、Instagram(1.1%)などがあがっていました。

●誹謗中傷の内容は?動機は?

誹謗中傷について、法的に明確な定義が定められているわけではありません。今回のアンケートでは、投稿した誹謗中傷の内容について4種類に分類し回答してもらいました(複数回答可)。

最も多かったのは、「容姿や性格、人格に対する悪口」(83.0%)、次いで「虚偽または真偽不明情報を流す」(17.6%)、「プライバシー情報の暴露」(16.5%)、「脅迫」(6.8%)と続きました。

誹謗中傷を行った動機については、「正当な批判・論評だと思った」が最も多く(51.1%)、「イライラする感情の発散」(34.1%)、「誹謗中傷の相手方に対する嫌がらせ」(22.7%)、「虚偽または真偽不明の情報を真実だと思いこみ投稿した」(9.1%)と続きました。

そもそも自身の投稿が誹謗中傷だと思わないままに正義感などから投稿してしまう人が多くいることが明らかになりました。

(略)