2月24日、四方向から電撃的にウへ侵攻したロ軍は、ウ軍の激しい抵抗を受けて停滞しているが、それでもなお戦争の全体的主導権はロ側にある。
こんな大侵略戦争を誰が擁護するのか不思議であるが、
事実、ネット右翼(ネトウヨ)の一部はこの戦争においてプーチンとロシア軍を絶賛する。

 まず1種類目が陰謀論者である。世界を操る影の政府・DS(ディープステート)がウ軍およびゼレンスキー大統領をしてロシアと戦わせているという。
つまりこの戦争はウ側の自作自演というわけである。DSはグローバリスト、ネオコン、ユダヤ系国際金融資本の集積体であり、世界統一政府を樹立しようとしている―。
そこに敢然と立ち向かうのがプーチンとロ軍であり、彼らの頭の中では「光の戦士」ということになっている。
ここに付随する味方としてトランプ元大統領が加わる。

こうした荒唐無稽な陰謀論の発信地の筆頭は元駐ウクライナ大使兼モルドバ大使の馬渕睦夫。

保守論壇では名の知れたユダヤ陰謀論者だが、今次のウ危機に際しては、2014年のクリミア戦争(併合)以降、
一貫してウはネオナチ国家で、アゾフ大隊がロシア人を虐殺していると主張している
。この手の陰謀論動画が、まるでチェーンメールのごとくネット界隈を飛び回っているのだ。

ネットで拡散される陰謀論

 馬渕は12年に、現在は出版事業を停止している総和社(東京・新宿)から『国難の正体』で本格デビューし、元駐ウクライナ大使という肩書をフルに活用して定年後
、陰謀論的世界観を出版業界で開陳してきた。同書にはDSという単語こそ出てこないものの、完全なユダヤ陰謀論本である。

馬渕はその肩書が印籠となり、一時期関西の地上波右派系番組にも出て『WiLL』にも寄稿した。
が、馬渕があまりにも「世界の全ての悪事はユダヤ系がやっている」と言い過ぎたため、
当時WiLL編集長だった(後、『Hanada』に分裂)花田紀凱に倦厭されたのか、以降はネット動画の世界に自閉している。

当然この理由は、花田自体が「マルコポーロ事件」(1995年)で鉄槌を受けた自業自得の経験があるからだろう。

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