※ナショナル ジオグラフィック 2022年4月4日 5:00

春の訪れとともに、花粉症に悩まされている人が増えているのではないだろうか。そして今、地球温暖化の影響で、アレルギーの季節はさらに深刻化しようとしている。

3月15日付けで学術誌「Nature Communications」に発表された研究によれば、米国で飛散する花粉の量は、気候変動により2100年には40%まで増えるおそれがあるという結果が導き出された。飛散は最大で40日早く始まり、19日長く続くという。

過去の傾向を調べた既存の研究によれば、北米では30年前と比べて、花粉の飛散がすでに平均20日早く始まり、8日長く続いており、空気中に放出される花粉の量は20%増えている。

地球温暖化によって植物の生育期が長くなり、その結果、アレルギーによる健康リスクが高まろうとしている。その要因を深く理解することは急務となっている。干ばつや暑さで森林や草原が減ったとしても、アレルギーの原因となる花粉を生成する草木のなかには、気温や二酸化炭素濃度の上昇によって大きく成長し、より多くの葉を付けるものもある。

「花粉は公衆衛生に多大な影響を与えます」と、論文の最終著者である米ミシガン大学の大気科学者アリソン・スタイナー氏は語る。「多くの人が季節性のアレルギーに悩まされていますが、花粉の予測モデルはあまり精度が高くありません」

二酸化炭素や植物分布の影響も加味
スタイナー氏のチームはこのギャップを埋めるため、アレルギーを引き起こす最も一般的な15の植物(種あるいは分類群)を対象に、気温や降水量などの要素に応じて花粉の飛散を予測するモデルを開発した。

「私たちのシミュレーションでは、花粉の飛散を1日単位で見ています」とスタイナー氏は説明する。「また、その経過も見ることができます。花粉の飛散は米国南東部から始まり、気温の上昇とともに、花粉前線が北上していきます」

続きは↓
日本経済新聞: 花粉症は温暖化でより過酷に 米研究、21世紀末に4割増.
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD2211X0S2A320C2000000/