昔は地域に当たり前のようにあった男子校や女子校。現在、様々な理由で男女共学化に踏み切る学校が増えています。
愛知県一宮市にある修文女子高校も、2022年4月から男女共学化によって、修文学院高校へと生まれ変わります。女子校が共学化へ踏み切った理由など取材しました。

■80年の歴史を持つ女子高が男女共学に

1941年創立の修文女子高校は、調理師免許が取れる「食物調理科」や被服や保育を学ぶ「家政科」などのコースがある伝統ある女子校です。
80年の歴史を一旦白紙にしてまで、男女共学化に踏み切る理由を栗本整校長が話しました。

栗本校長「私学の場合、やはり一定程度の教育の質を保証するためにある程度生徒の数がどうしても必要。少子化でどんどん(志願者数が)減っていく中で、共学化に踏み切った」

実際ここ5年間の入学者数は、定員308人に対し約100人近い定員割れが続いていました。

定員割れの傾向は全国的で、2020年度私立高校の入学定員は40万8000人あまりでしたが、実際の入学者は34万人。6万人以上16%の定員割れでした。
入学希望者は、学校の運営を成り立たせる大切なお客様。入学希望者を増やす経営戦略の一つが共学化になります。

■共学化のメリット

共学化が経営戦略上どのような利点を与えるのか、教育学の専門家である愛知淑徳大学の佐藤実芳教授に伺いました。

佐藤教授「今は少子化の時代です。男子校だと男子のみ、女子校だと女子のみと志願者が限定されます。
それに対し、男女共学の場合、男女幅広く募集することができるという点でメリットがあります」

1980年に425校あった男子校は2021年に4分の1以下の98校。女子校は724校から3分の1ほどとなる281校まで減っています。

学校運営側にとって、大きな決断となる男女共学化。在校生はどう思っているのか聞いてみると、
「女子だけで今慣れているから男子が入ってくるのは怖い」
「文化祭や体育祭はめちゃ盛り上がりそう」
「女子だけだったら心を開けるけど…男子が入ってくると気まずい。急に猫被らないといけない」
などと不安を口にしつつも、新しい環境への期待が見え楽しみな様子。

また、男女共学化によって制服も一新されるため「今のセーラー服もいいんですけど、ブレザーに変わるということで可愛いなと思う」と、生徒たちはおおむね好意的にとらえていました。

(以下ソース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4a0f855017747b7bd24b28845cac353b285def1