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2022/04/29(金) 07:41:48.43ID:2VLLPYrb92018年に連合が開いた第89回メーデー中央大会=東京都渋谷区で2018年4月28日午前11時20分、丸山博撮影
メーデーどうする? 「Z世代」の半数が集会やデモに忌避感
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20220429-00000008-mai-soci
働く人の地位向上や労働環境の改善のため、各地の労働組合が集会を開くメーデー。労働組合の全国組織である連合は29日、3年ぶりにオンラインから対面での「リアル」開催に切り替えて中央大会を実施する。ただ、10~20代のいわゆる「Z世代」を対象にした連合による調査では、半数近くが「参加したくない社会運動」の筆頭に「集会やデモ、マーチ、パレード」を挙げた。どのような形なら次代を担う「Z世代」に受け入れてもらえるのか。労働組合の幹部たちは頭を悩ませる。
そもそもメーデーというイベントについて、東京都内の大学で看護を学ぶ女子大生(19)は「聞いたことがない」と首をかしげた。1886年5月1日、米国のシカゴで長時間労働を強いられていた労働者が8時間労働の実現を求めてストライキやデモをしたのが起源。日本では1920年に東京・上野公園で行われ、100年を超える歴史がある。現在は公園や広場で式典を開き、労働組合や関連団体がブースを設けて活動をPRする形式が主流だ。
連合の調査は昨年12月、15~29歳の1500人を対象にインターネット上で実施。「参加したくない社会運動」の質問に、46・8%が「集会やデモ、マーチ、パレードなど」と答えた。2位の「SNSでの個人の発信」(20・7%)、3位の「クラウドファンディングや募金などの資金提供」(19・5%)を圧倒的に引き離した。
調査に携わった連合の山根木晴久副事務局長は「本来、社会運動は多くの市民に賛同の輪を広げるためにあるのに、共感を得られていない側面がある」と話す。自身もかつて、国会議事堂前から東京駅まで行進し「最低賃金を上げろ」と一斉に訴える街頭行動に加わった。しかし、足早に通り過ぎる人に主張が伝わっているか、不安になる瞬間もあった。「主張の押しつけ、怖いという印象を持たれたかもしれない」と振り返る。
Z世代の社会活動への関心は低くない。調査では、87%が「関心のある社会課題がある」と回答。「いじめ」(20・7%)、「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(18・7%)、「自殺問題」(16・7%)、「ジェンダーに基づく差別」(16・3%)、「医療・社会保障」(15・1%)といった身近な課題が関心を集めた。
社会運動への参加経験があるのは36・8%。「知識を深めるためのセミナー参加」(25・4%)や「SNSでの個人の発信」(23・2%)が上位で、「集会やデモ、マーチ、パレードなど」は14・7%と低かった。参加経験がない人に理由を聞くと、22・2%が「顔や名前が出てしまうことに抵抗がある」と答え、「参加するには自身に知識が足りない」(21・6%)、「忙しかった」(18%)と続いた。
連合の岡本直也運動企画局部長は「社会課題への関心は高いが、個人が特定されてインターネットで炎上するリスクも知っている世代」と分析する。その上で、顔や名前を出さなくても安心して参加できる場として、残業時間数を労使で定める「36協定」など身近な労働問題をテーマにした月1回の動画配信に力を入れる。コメント欄には「ロウソ(労働組合の略称)って何?」といった基本的な質問も寄せられ、気軽に交流できる場の必要性を実感している。
メーデーの起源によれば5月1日の開催だが、連合は「ゴールデンウイークが潰れてしまう」との声に配慮し、4月29日午前10時から東京・代々木公園で開催する。参加人数は絞るが、動画のライブ配信でZ世代など幅広い層の取り込みを目指す。
連合とは別の全国組織、全国労働組合総連合によるメーデーは5月1日に実施の予定。こちらも代々木公園での実施に加え、オンライン参加も組み合わせる。渡辺正道事務局次長は「コロナ下で組合活動の場は限られ、新入社員の勧誘もオンラインで行う時代になった。やりにくいが、参加の手軽さなどメリットを生かしたい」と話す。
こうした取り組みを大手広告会社「ADK」で若者のマーケティングを手掛ける藤本耕平さんはどうみるのか。藤本さんは「若い人にとって大切なのは、イベントの質や中身。メーデーに参加して、自分にどんなメリットがあるか、何が変わるのか、具体的に伝えた方が良い。最低賃金がいくら上がったという数字より、人の生活がどう変化したかにフォーカスすると伝わりやすいかもしれない」と指摘。「オンライン上の発信で参加のハードルを下げるのも悪くないが、様々な情報を取捨選択しながら生きる世代に選ばれるよう、彼らが興味を持てる文脈に引き付ける必要がある」と話す。【奥山はるな】