知床観光船、国主導で船体引き揚げ…「飽和潜水」で船内捜索・準備作業に着手へ
5/2(月) 22:37配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1587557fecddfc1c0ca2c646925185d58fe0aca3

 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、斉藤国土交通相は2日、国が主導して観光船を引き揚げる方針を明らかにした。行方不明者の捜索や事故原因の究明のため、国の関与が必要と判断した。一方、海上保安庁は同日、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の事務所を業務上過失致死容疑で捜索した。

 2日夜、国交省の事故対策本部会議で、斉藤国交相は「行方不明者の捜索、事故原因究明などの観点から、国交省の総力を挙げ、引き揚げ準備を開始してほしい」と述べた。

 カズワンの船体は4月29日、知床半島西側の「カシュニの滝」から約1キロ沖合、水深約115メートルの海底で見つかり、同庁の潜水士が潜れる限界の60メートルを超えている。同庁などが水中カメラで船内を確認しているが難航している。

 これまでに発見されたのは乗客14人、残る12人が行方不明。船内に残されている可能性もある。引き揚げに先立ち、同庁は、「飽和潜水」と呼ばれる方法で船内を捜索する。特別な設備で潜水深度の水圧に体を適応させて潜る方法で、4月30日にこの技術を持つ「日本サルヴェージ」と契約を結んだ。5月上旬に準備作業に着手する予定。

 捜索後、引き揚げ作業に移行する。事故の状況を調べるため、船体の損傷などを確認する必要もある。船舶事故では運航事業者が引き揚げるケースも多いが、国が主導して早期に実施することにした。

 一連の費用は、飽和潜水による調査までで約8億7700万円。さらに引き揚げの費用がかかる。政府は、知床遊覧船に請求することも検討している。

 一方、同庁は2日、知床遊覧船の事務所を業務上過失致死容疑で捜索した。桂田精一社長(58)とカズワンを操縦していた豊田徳幸船長(54)の安全管理に問題がなかったか捜査を進める。

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