反ヘイト「路上寝転び抗議」で摘発 17人書類送検 警視庁
毎日新聞 2022/5/10 20:06(最終更新 5/10 22:57)

 2021年12月に東京都武蔵野市の車道上で交通の妨害になるように寝転んだなどとして、警視庁は10日、同市の「外国人住民投票条例案」に反対するデモに抗議していた30~60代の男女17人を道路交通法違反(道路における禁止行為)の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。路上に寝転んで抗議する手法は「シットイン」と呼ばれるが、警視庁は交通量の多い都市部の車道に出る行為は危険性が高く、周囲で渋滞が発生するなどの影響も大きかったと判断した。

 書類送検容疑は21年12月4日午後3時ごろ、武蔵野市のJR吉祥寺駅前の車道で、寝転んだり座ったりしたとしている。17人は大筋で容疑を認め、「正当な理由があった」「車両に迷惑をかけたことは申し訳ない」などと供述しているという。デモに抗議するためにネット交流サービス(SNS)などを通じて集まったとみられる。

 JR吉祥寺駅周辺では同日午後2時半~3時半ごろ、政治団体「日本第一党」の約100人が、外国人の住民投票をめぐる条例案に反対するデモを実施。現場となった吉祥寺駅前では、片側2車線のうちの1車線を団体が歩き、もう1車線を一般の車両が通行していた。だが、書類送検された17人は「ヘイトデモを許すな」などと書かれたボードを掲げながら、団体がデモ通行していた車線の道路上で寝転がったり座り込んだりしたという。警察官が「道交法違反に当たります。速やかに移動してください」と警告したが動かなかったため、団体は車両が通行していた車線に移ってデモを続けた。その際、数分間にわたって二つの車線が封鎖され、路線バスなどが渋滞に巻き込まれたという。
https://mainichi.jp/articles/20220510/k00/00m/040/306000c