ロシアのウクライナ侵攻を巡り、ドイツのメルケル前首相は7日夜、首相在任当時のロシアに対する姿勢について「間違ってはいなかった」と主張した。昨年12月の退任後、初めて公の場でジャーナリストとの一対一のインタビューに答えた。やりとりは約90分、テレビ中継された。

 メルケル氏は16年間の在任中、ロシアのプーチン大統領と何度も対話した。信頼関係を築いたはずだったが、今年2月の侵攻は防げなかった。メルケル氏の対ロ姿勢が甘すぎたのではないかという批判がある。

 メルケル氏は、ロシアのウクライナ侵攻について「国際法に違反する残忍な侵略で、言い訳のしようがない」と厳しく非難した。

 そのうえで、2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を一方的に併合した際、より厳しく対処できた可能性については認めた。「今回の侵攻を防げたかもしれないと自問自答している」とも語った。

 各国がソ連崩壊後も冷戦を終わらせられず、戦争を防ぐための安全保障機構をつくることができなかったとの認識を示した。

 一方で「外交はうまくいかなくても、それはそれで間違ってはいない。だから、あれは間違っていたと私が謝る必要はないと思う」と語った。

 メルケル氏は08年時点で…(以下有料版で,残り361文字)

朝日新聞 2022年6月8日 8時29分
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