2022年6月17日 17時29分教育
「毎週土曜日、職員室から朝焼けを見ます」
そう語った女性教員。育児と両立するため早朝に出勤して仕事にあたっているといいます。
「疲労が重なる中、用水路に落ちて、死にかけました」
残業時間を改ざんするのは産業医面談を避けるための“校長の親心”だと言われたという男性教員。一命を取りとめ、いまはうつで休職しています。
学校の先生は大変だと知ってはいたけれど、ここまでとは…。
NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に寄せられた500件の悲痛な訴え、そして、それでも“辞められない理由”とは。






「息子は命を削っているよう」「夫を殺すつもりですか?」

滋賀県 元教員の男性
『帰宅後風呂の中で寝てしまい、口が湯に浸かって目が覚めた事が何度かありました。風呂は冷たくなっていて、これは下手したら死ぬなと思いました。教頭が机の陰でへたり込んでいる姿も何度も見ました。若い子たちの中では教員の勤務は過酷だという認識が常識です。その通りだから仕方ない。教員のなり手がないのも当たり前だと思います』

NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に、一晩で500件近い投稿が寄せられたのはことし4月末。

NHKの番組「クローズアップ現代」で、教員の過酷な勤務実態や教員不足の深刻な影響を伝えた直後のことでした。

教員本人はもちろん、その家族、そして児童や生徒の保護者から、切実な現実を訴える声が次々と寄せられたのです。

息子が教員の50代の母親
『私の息子も埼玉県の私立高校で教員をしています。毎日、お昼ご飯を食べる時間も作ってもらえず朝から夜遅くまで仕事しています。命を削っているようで、本当に見ていられません。昨日も、スーツを脱いでそのまま、朝まで起きませんでした。夜ご飯より睡眠でした。とにかく、改善を切にお願いしたいです』

夫が中学校教員の30代女性
『昨年子どもが生まれ今1番子育てに参加して欲しいし、参加したいと本人も思っていると思いますが長時間労働で起きてる時間には帰ってきません。土日も部活で家にいません!なのに残業や休日出勤の手当も出ていません!妻として夫を見ていてこの労働の仕方に憤りが隠せません!夫を殺すつもりですか?』

妻が中学校教員の50代男性
『妻は休日も部活や平日の残務で、毎回出ているか、疲れて寝ています。自分の子どもや家庭のことには関わる時間が取れず、我が家は、家庭崩壊です』

過酷な勤務に加え、公立学校の教員は「給特法」と呼ばれる法律によって、どれだけ働いても残業代や休日手当も出ず、現場や専門家からは“定額働かせ放題”とも呼ばれる現状。

実態を伝えてきたはずの私たちの想定を超える、悲痛な内容もありました。





職員室で朝焼けを見る週末 一体何しているんだろう
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220617/k10013673181000.html