大阪府富田林市のマンションで2歳の女の子が「熱中症」で死亡し、同居する祖母らが、保護責任者遺棄の疑いで逮捕されました。祖母らは「冷房を28℃の設定で入れていた」と話していますが、医師は「水分をあげなければ熱中症になる可能性はある」と指摘しました。

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大阪府富田林市で29日夕方、消防に「女の子が息をしていない。硬くなっている」と通報が入りました。救急が駆けつけると、小野優陽ちゃん(2)が血を吐いて倒れていて、その場で死亡が確認されました。

保護責任者遺棄の疑いで逮捕されたのは、同居していた祖母の小野真由美容疑者(46)と内縁の夫、桃田貴徳容疑者(50)です。約11時間にわたり、優陽ちゃんを放置して外出していたということです。

小野容疑者(46)らは行き先について、「車でユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行った」と、5歳の息子と、朝から大阪市此花区にあるUSJに出掛けていたと話しています。

その間、優陽ちゃんはどのような状態で放置されていたのか。警察によると、優陽ちゃんがいたのはベビーサークルの中。柵の高さは88センチで、2歳児では外に出られる高さではないといいます。水分補給もできない状態でした。

29日昼ごろ、大阪では外の気温が30℃を超えていたとみられますが、小野容疑者らは、「冷房の電源を28℃の設定で入れていた。扇風機もつけていた」と話しています。

しかし、司法解剖の結果、優陽ちゃんの死因は“熱中症”で、29日昼ごろに死亡したとみられることがわかりました。十分な水分を取れずに、脱水症状を起こしたとみられています。

柴田小児科 柴田雄介院長
「水分もあげずに室内に放置しておけば、28℃にエアコンを設定していても、湿度が高くなって熱中症になる可能性は十分あります」

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警察によると、優陽ちゃんは小野容疑者の三男の子どもだということです。何らかの事情で実の両親と別々になり、祖母の小野容疑者と桃田容疑者、15歳の四男、5歳の五男と5人で暮らしていたといいます。

近所の人
「(優陽ちゃんは)かわいらしい子で、『(小野容疑者に)女の子のお子さんいるの』と聞いたら、『いや孫よ』とか言ってうれしそうにお話はされていたんですけど」

実は、事件に至るまでに、児童相談所が2回、虐待の疑いで対応していたことも明らかになっています。2020年6月には、桃田容疑者が優陽ちゃんを風呂に入れた際、目を離した間に優陽ちゃんが溺れそうになったといいます。

市は2020年10月から“見守り”をしていましたが、去年12月に警戒のレベルを「要保護」から「要支援」に下げたといいます。

富田林市などの会見
「子どもに対して、単純に手を上げているというのがイメージとしては『要保護』、『要支援』というのは、手を上げてないけれども、このままの状態が続くと手を上げてしまうとか、子供にひどいことを言ってしまうとか」

小野容疑者らは調べに対し、「これまでにも何度か、優陽ちゃんを置いて出掛けた」と話しているということです。

(6月30日放送『news zero』より)

7/1(金) 1:23配信 日テレNEWS
https://news.yahoo.co.jp/articles/56bf551e143f32887a782eeba92bef1745872aae