2022年7月2日 05時05分 (7月2日 05時06分更新)

 岐阜市立岐阜小学校が五月、ドリルやプリントなどを一律に課すスタイルの宿題を廃止した。児童自ら必要だと思う勉強や趣味、地域活動の時間に充ててもらうのが狙い。
文部科学省によると、公立学校としては全国的にも例の少ない取り組みといい、校長は「形式的な宿題の意味を問い直し、自ら進んで学ぶ力を育てたい」と語る。 (都沙羅)

 宿題の代わりに、担任教員は学年ごとに家庭学習のポイントを提案。高学年は自主的に課題を見つけ取り組むよう助言し、低学年は学習習慣をつけるためドリルの反復を促す。家で学習しなくてもとがめない。
 三年前に着任した藤田忠久校長(60)が構想を温めてきた。同校ではもともとPTA総会や学校運営協議会での議論が活発で、保護者や地域との信頼関係ができたと感じた今年一月に提案した。
 当初は賛否両論があった。「宿題があるから勉強している」といった声のほか、「うちは子どもの勉強を家で見ることは無理」と、家庭によって格差が出ることを不安視する声が上がった。
藤田校長は、PTA役員会などを通じて趣旨を説明。「逆に家庭での勉強ぶりを学校は見られない」などと説得した。

https://www.chunichi.co.jp/article/500179