7/27(水) 13:59
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世界保健機関(WHO)は23日、急速に感染が拡大しているサル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に相当すると宣言した。専門家からは対策が加速することへ、期待の声が上がっている。

感染の中心地であったアフリカ以外で、主に男性間の性行為を通して、急速に感染が拡大している。

HIV陽性者である性の健康活動家ハルン・トゥルネーさんは、ロンドンで重度のサル痘を患った。
「何も食べられないし飲めないから死ぬと思って、
 看護師に泣きながら電話したことを覚えている。
 自分の唾さえ飲み込めないんだ」

サル痘は人によっては非常に強い痛みをもたらすことがあるが、多くは軽症で、集中的な治療の必要もなく回復する。だが既存の治療法やワクチンの入手は困難だ。また認知度も低い。

WHOが公衆衛生上の緊急事態を宣言したため、ワクチンや治療法共有に向けた資金援助につながる可能性もある。専門家は今こそ対策を急ぐべきだと指摘する。

ネブラスカ大学国際衛生安全センターのジェームズ・ロウラー氏
「この感染症への対応で、われわれが遅れをとっていることは明らかだ。
 対策を強化する必要がある」

ジョンズ・ホプキンス大学衛生安全センターのトム・イングレスビー氏
「今後、この宣言で何が可能になるのか、
 どうすれば国際的な支援を集め、
 世界中に広がるサル痘への対応を強化・加速できるのか、ということが重要になる」

HIV感染者の権利団体TPANは、一刻も早い対策の強化が望まれると話す。同団体は米シカゴで25日サル痘のワクチン接種を実施。だが団体の代表者によると、希望者が殺到し、一部の人は接種を断らざるを得なかったという。

TPAN代表 カーラ・イーストマンさん
「25日に200人以上の人が会場に並んでいたが、
 ワクチンは100回分しか用意がなかった。
 今日も同じように大勢の人が来て、早くから並んでいた。
 残念ながら一部の人には断らざるを得なかった」

サル痘を巡っては、今年に入ってから75か国以上で1万6000人以上が感染している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cfdc0dc6b17f6ec62d21dedf31ba3f1728698fda