NST新潟総合テレビ

2022年9月13日 火曜 午後6:50

新潟市の大学で9月12日、京都大学の研究者などが木星で観測された今世紀最大の火球について発表しました。研究のきっかけは新型コロナウイルス禍によってできた「時間」でした。
丸い惑星の中に映る白い光。これは去年10月、木星に小天体が衝突する瞬間を捉えた映像です。
13日から新潟大学で開かれている日本天文学会の研究発表を前に12日、この映像を撮影した京都大学の有松亘特定助教が報道陣に観測の成果を説明しました。
【京都大学 有松亘 特定助教】
「木星表面で発生した天体衝突閃光。地球における火球に相当する現象に関して偶然ではなく意図して狙った発見・観測史上初めて成功した」
これまで木星への小天体の衝突などは8例確認されていますが、どれも偶然発見されたもので、研究目的として詳細な観測データが得られたのは今回が史上初めてです。
そして、意外だったのが研究のきっかけです。
【京都大学 有松亘 特定助教】
「新型コロナ禍で暇だったから」
新型コロナウイルスの影響で、遠方での天体観測のプロジェクトが中止になり、そこで開発したのが自ら作った観測装置でした。
【京都大学 有松亘 特定助教】
「望遠鏡とかはアマチュアの人が使う、量販店に売っているもの。個々のカメラ部分もセンサーだけで売っているものを自分で全部組み立てた」
木星の観測に専念することができ、観測開始から1カ月ほどで今回の成果に結びつけることができました。
【京都大学 有松亘 特定助教】
「宇宙は広大無辺で多様なので普通にスタンダードのことをやっているだけではなくてより身近なターゲットでも分からないことばかりなので今回そういった点で新たな意義を生み出すことができたかなと思う」
今回のデータは地球への小天体衝突のリスクなど、今後の研究にも生かされていきそうです。

https://www.fnn.jp/articles/-/416677