2022年10月30日 05:00 | 無料公開

温度調節に便利なカーディガンだが、校則で禁止する県立高校も少なくない =10月、千葉市内
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 一日の寒暖差が大きいこの時期に便利な、気軽に着脱できるカーディガン。ブレザーやセーターでは暑いけど、シャツではちょっと寒い…という微妙な気温に対応するため、千葉県内の街中でも愛用する高校生がちらほら。
ところが、千葉日報社が入手した全県立高校(121校)の校則を調べると、この便利なアイテムの着用を規制する学校も少なくない。卒業生からは疑問の声も挙がるが、なぜ着てはいけないのだろう?(校則問題取材班)

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 「カーディガン等の着用は認めない」(県東部の高校)、「カーディガンの着用は禁止。違反したものは一時預かりとする」(県南部の高校)-。

 本紙の調べでは、20校弱の県立高校がカーディガンの着用禁止を校則に明記。校則内にカーディガンの文言がなくても、「指定の制服を着用する」と定める学校の中には事実上禁止の学校もあるとみられる。

 県東部の高校時代にカーディガンを愛用していた金融機関職員の女性(28)は「授業中も部活中も寒かったので、カーディガンは温度調節に役立っていた」と振り返る。ただ、現在の母校は着用禁止。「もし着られなかったら不便。おしゃれができなくなるし…」

 カーディガンが禁止されている別の県東部の高校を卒業した公務員女性(23)は「普段セーターを着ていたので、当たり前だと思っていた。ただ振り返ってみると、なんでカーディガンだけ禁止されていたのかな、という思いはある」

◆指定のセーター

 学校がカーディガンを禁止するのはなぜなのか。

 県南部の高校の生徒指導担当は「指定のセーターとベストがあるため、認めていない」と説明する。カーディガンの方が着脱しやすいのでは、との記者の問いには「仮に認めたとしても、ボタンを閉めておくように指導する。それならセーターと変わらない」。ボタンを閉めるよう指導する理由は「身だしなみとして、それが一般的だから」

 県東部の高校の生徒指導担当は「だらーんとして尻のラインまであるカーディガンは見てくれが悪く、周りの地域の目もあるので禁止している」と話す。

 カーディガンを禁じる学校の多くは、身だしなみや見た目の規律を守る上で形状がそぐわない、との考え方を持っているようだ。「セーターがあるので必要ない」という説明も多かった。一方、カーディガンが持つ温度調節の便利さに目を向ける学校はほとんどなかった。

◆大人は着るのに

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