出生時の戸籍の性別とは異なる性別を自認するトランスジェンダーの人権と尊厳を訴えるパレード「東京トランスマーチ」が12日、東京都新宿区であった。昨年に続き2回目の開催で、約1000人(主催者発表)の参加者が差別反対を訴えるプラカードなどを掲げ、約3・4キロを行進した。


 トランスジェンダーのアクティビストの浅沼智也さん(33)と畑野とまとさんが共同代表を務める団体「トランスジェンダージャパン」が主催し、「国際トランスジェンダー追悼の日」である11月20日を前に開催された。

 トランスジェンダーの当事者は、学校や職場、医療など日常のさまざまな場面で差別に直面しやすい。近年はデマや中傷がインターネット上などで激しくなっている。海外では、嫌悪や偏見のため当事者が殺害される事件が起き、日本でも自死に追い込まれるケースがある。

 パレードの出発に先立って、新宿中央公園で、浅沼さんは「トランスジェンダーであることを理由に排除され、差別される現状がまだある。みんなで連帯し、一緒にトランスジェンダーの問題を考えてほしい」と訴えた。華やかなドレス姿で参加したショークラブ「ひげガール」のキャストのベルさんは「私たちも昼間に堂々と歩きたい。好きな姿でなりたい自分になれるということを伝えられたら」と話した。

 参加者は都庁や新宿駅の周辺などを歩きながら、トランスジェンダーの権利運動で使われる水色、ピンク、白のフラッグを掲げ、「トランスの権利は人権だ」などのメッセージをアピールした。【藤沢美由紀】

毎日新聞 2022/11/12 18:25(最終更新 11/12 20:25)
https://mainichi.jp/articles/20221112/k00/00m/040/152000c