0001蚤の市 ★
2022/12/08(木) 06:43:24.16ID:rvIOLf999◆「最低賃金を上げるなら、年収の壁も上げて」
「パートが働ける時間がどんどん減っており、本当に悩ましい事態だ」。調理麺の製造会社「デリモ」(埼玉県草加市)の栗田慶太郎専務は嘆く。
10月に埼玉県の最低賃金は31円上がり987円になった。時給1050円~1100円のパートが多い同社は、一律で30円程度上げる。周囲の工場などが時給を上げるのに見劣りしないようにするためだが、栗田氏はこれが人手不足を招きかねないと懸念する。
パートは年収103万円を超えると所得税がかかり始める。さらに配偶者が会社員や公務員の場合、企業規模によっては年収106万円から社会保険料の負担が生じて手取りが大きく落ち込む。同社ではパートの4分の1が負担を避けるために働く時間を減らし、人手不足になりやすい状況だ。
栗田氏は「新たな人を簡単に雇用できるほど甘くはない。最低賃金を上げるならば、年収の壁も足並みを合わせて(上限を引き上げて)ほしい」と話す。
◆パート労働者も企業も「互いに幸せではない状況」
最低賃金引き上げなどを受け、首都圏の時給は上昇を続けている。リクルートによると、10月のアルバイト・パート募集時平均時給は1189円と過去最高を更新した。特に飲食店などの引き合いが強い。
大手企業も状況は厳しい。牛丼チェーン吉野家は10月にパートの時給を最大50円引き上げた。従業員は年収を「壁」の内側に抑えるため、これまで働き過ぎた分を調整しようとするパートが多く、特に年末に人手不足が見込まれるという。広岡恵次経営企画室長は「働けるのに働くわけにはいかないという、互いに幸せではない状況」と話す。
野村総研が配偶者のいるパート女性を対象にした調査では、年収を抑えるため働く時間を短くしている人は全体の61.9%を占めた。一方で帝国データバンクによると、10月時点で正社員の人手不足を感じている企業の割合は51.1%、非正社員で31%。いずれもコロナ禍後では最大だった。
日本総研の山田久副理事長は「年収の壁が人手不足を加速させ、限界まできている。もはや放置することはできず、保険料負担の軽減など対応策を検討する必要がある」と指摘する。
東京新聞 2022年12月8日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/218542