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ついに登場したスマスロは業界の救世主となるのか
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8000軒を割り込んだパチンコホール

年末も迫った11月からスマスロのホール導入が始まり、少なくとも前向きに考えられる出来事で幕を閉じそうなパチンコ・パチスロ業界の2022年。
ただ年が明けたばかりの1月末には、2018年2月の改正遊技機規則施行から4年という経過期間の終了に伴い、大々的な旧規則機(パチンコCR機、パチスロ5号機)の撤去がありました。

既に昨年くらいから入れ替え経費に耐えられないような中小ホールの休廃業が相次いでいましたが、タイムリミットであった今年の1月末にはファンの間で知名度の高いホールもその波の飲み込まれ、ホール軒数は30年前から半減。
警察庁が発表した2021年末のホール軒数は約8500軒ですが、現在は8000軒を割り込んでいるのは確実な状況です。

さらに休廃業ラッシュは1月末でひと段落したわけではなく、新規則機(パチンコP機、パチスロ6号機)を揃えてその後も営業を継続するんだろうなという姿勢を見せていたホールが、ゴールデンウィーク明けやお盆休み明けといった“かきいれ時”を終えたタイミングで休廃業することも多く、相変わらずホール軒数は減り続けています。

メーカーの倒産とリストラも……

販売先が減れば、遊技機メーカーだって苦しくなるのは必然です。
1月には大手メーカーが希望退職者を募集すると発表、ここ数年の決まり文句的に使われている「業界激震」という言葉とともにのネット界隈を騒がせました。

さらに5月には中堅メーカーの高尾が民事再生法を申請。
もはや業界激震に慣れっこになった関係者も、さすがに業界バランス的に強い立場であろうと思われているメーカーの倒産は間違いなく激震だったと思います。


ファン人口は微増したが…

ホールの休廃業の直接の引き金になっているのは旧規則機の撤去と思われますが、ここまでペースが加速しているのは2020年からのコロナ禍も無縁ではありません。
ただでさえファン人口が減り続けているなかでのコロナ禍は、業界にとっての大事な顧客である常連高齢者の外出機会を減らし、またリモートワークの普及で「会社帰りにひと勝負」という客層も大きく失いました。

レジャー白書によると2021年ファン人口は720万人とコロナ禍が始まった2020年の710万人から微増していますが、コロナ前の2019年の890万人に比べたらまったく回復していません。
ただでさえファン人口を減らし続けている業界にとって、コロナ禍は間違いなく追い打ちになっています。

話題沸騰のスマスロで業界は変わるのか

それでも行動制限が徐々に緩和されるようになった今年は、ホール側からも以前ほどではないものの客が戻りつつあるという声が聞こえるようになりました。
7月にはスマート遊技機という、新しい形のパチンコやパチスロが盛大に発表され、11月からはパチスロのスマート遊技機であるスマスロのホール導入が始まっています。

新たな設備投資が必要でホールに大きな負担が
出玉情報を一元的に管理することで過度の射幸性を抑制するという目的のスマート遊技機は行政側もお墨付きを与えているようで、型式試験では優遇されているなんていう噂も聞こえてきますが、ホールにとっては新たな設備投資が必要になってしまいます。

それでも健全化という旗印の下で導入を促すためにスペック面が緩和され、(きっと行政が黙認する程度の)射幸性アップも図られている。
その結果、ホール間での争奪戦が繰り広げられて大手を中心に大量導入するホールも少なくありません。
その噂はすっかりホールから足が遠のいたスリープユーザーと呼ばれる層にも届いているようで、筆者も友人から「スマスロってどう?」なんて聞かれたりすることが度々。

思えばパチスロ4号機時代の盛り上がりも出玉が期待できることが発端だけに、業界関係者が期待しているように、もしかしたら好転するのかもしれません。
スマート遊技機が出るからということが直接的な理由ではないかもしれませんが、年末に向けてここ数年は聞くことが無かった新店舗の立ち上げという話もチラホラとあるようです。

スマスロに続き2023年はスマパチも登場