東京都は新築戸建て住宅への太陽光パネル設置義務化を目指し、2022年12月の都議会第4回定例会で改正環境確保条例を成立させた。30年に温室効果ガスを00年比で半減させる「カーボンハーフ」を政策目標に掲げる小池百合子都知事は12月28日、毎日新聞のインタビューに応じ、戸建て住宅への太陽光パネル設置について「機運の醸成に努めていく」と、他の道府県にも推進を呼びかけていく考えを示した。主な一問一答は以下の通り。

【聞き手・柳澤一男、黒川晋史】

 ◇「見える化」で行動変える

 ――太陽光発電の推進は、他県にもノウハウを広げる考えはあるか。

 ◆10年くらい前に自宅に太陽光パネルを付けた。面白いのは、(電力消費の)「見える化」をすると生活が変わる。どの部屋の明かりを消すと、どのくらい(消費電力量が)下がるかと(考えるようになる)。大きく行動を変える。

 実は1970年代のオイルショックの頃、太陽光パネルは日本がリードして進めた技術だった。環境相の頃に補助金を予算要望したが、認めてもらえなかった。

 今振り返ると、気候変動についてはまさにあの時が分かれ目で、もっとやるべきだったと思う。

 なぜこの国が無理して南進して戦争に陥ったかというと、エネルギーがなかったからじゃないですか。それから状況は変わっていない。再生エネルギーは一つの選択肢。ましてや原発の問題がある中で。

 「智恵子抄」で「東京に空が無い」という言葉が有名だけれども、「東京には屋根があって、空いてるじゃないか」と強く言いたい。

 太陽光発電を付けることは防災の観点からも有効だ。近隣県との共同メッセージや、全国知事会での呼びかけなどで機運の醸成に努めていく。

 ◇気候変動、一気にギアを

 ――これまで知事として脱炭素化に取り組んできた。改めて、どういう東京にしたいか。

 ◆今、強めるところは何かというと、やはり気候変動とエネルギー不足。一気にギアを(上げて)ふかす。意志を持ってやらないといけない。その意志の源泉は何かというと、安心・安全で、世界から選ばれる街を作るということだ。

毎日新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/3d17632c4f4b57c63a2f24c5b86b0cb56d615031