政府が令和5年度以降の5年間で取得する米国製巡航ミサイル「トマホーク」について、5年度に一括契約する方針を固めたことが13日、分かった。防衛省は反撃能力(敵基地攻撃能力)としてトマホークを8年度以降に配備する方針。12式地対艦誘導弾を延伸した能力向上型も配備するが、より早期に十分な反撃能力を獲得するため、すでに米軍などによる運用実績があるトマホークに集中投資する。これにより、中国の接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力に対抗する態勢を構築したい考えだ。

政府は5年度予算案にトマホーク購入費2113億円を計上。8年度から配備を開始し、9年度に完了させる計画だ。米国から装備品を有償で受け取る「対外有償軍事援助(FMS)」で購入し、単価は1基3~5億円となる見通し。

政府は購入するトマホークの数量について「明らかにすればわが国の具体的な防衛能力を明らかにすることとなる」(浜田靖一防衛相)として説明していないが、2113億円から専用キャニスター(格納容器)の取得費を除く経費がミサイル本体に充てられ、500基前後となる見通しだ。

政府はトマホークのほか、12式地対艦誘導弾の射程を百数十キロから1千キロ以上に延ばして配備する。地上発射型は8年度、艦艇発射型は10年度、航空機発射型は12年度からの配備を目指す。だが、予定通りに開発が完了しなければ、配備時期も遅れる恐れがあるため、トマホークを優先的に取得する方針。必要な数を一括契約することにより、確実な早期配備を目指すとともに、一度に大量の契約を結ぶことで単価の押し下げも図る。

政府がトマホーク購入を急ぐのは、日米と中国の間で「ミサイル・ギャップ」が生じているからだ。中国は地上発射型の中距離ミサイルを1250基以上保有しているとされるのに対し、米国はすでに破棄した中距離核戦力(INF)全廃条約の影響で、現段階では地上発射型中距離ミサイルを配備していない。このため、台湾や南西諸島で有事が発生した場合の局所的なパワーバランスは中国に有利となっている。

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2023/2/13 19:07
産経新聞

https://www.sankei.com/article/20230213-GLUA5I7EQVMO5MU3QEEVWB6UU4/?utm_medium=app&utm_source=smartnews&utm_campaign=ios