東京新聞2023年2月14日 21時09分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/231161

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月8日に「5類」に移行することを受け、東京都は14日、新型コロナ対策本部会議を開き、移行後の医療提供体制の確保などに必要な総額1775億円の2023年度補正予算案を決定した。移行後は、無料検査や自宅療養者への配食などを終了する。また、飲食店での感染対策の必須項目からマスク着用を削除することも決めた。(三宅千智)

補正予算案では、新型コロナ専用病床の確保や外来診療の公費負担は、移行後も国の財源が充てられることを前提として、564億円を計上。都福祉保健局の担当者は「国には国費を付けるよう要望している。病床確保料などの考え方が大きく変われば、都も国方針に基づいて執行していく」と説明。国は医療提供体制などの具体方針を来月上旬に示すとしている。

介護度の高い高齢者を受け入れる医療支援型施設については、移行後も都が独自に運営を継続する方針で、関連経費293億円を計上。後遺症で苦しむ患者の増加を踏まえ、理解促進に向けた研修会やリーフレットの作製費に3000万円を充てる。

無料検査や自宅療養者向けの配食などのサービスは、移行前日の5月7日で終了。新型コロナ患者を隔離するための宿泊療養施設も、妊婦用などを除いて廃止する。

マスクの着用については原則、「個人の判断に委ねる」とする国の方針に従う。医療機関の受診時や、重症化リスクの高い高齢者らとの接触時は着用を推奨。飲食店での感染対策を徹底するための認証制度の基準から「利用者に対して食事中以外の着用徹底の周知」などの項目を削除する。

都立学校の卒業式でのマスク着用について、都教育委員会は13日付で「式典全体を通じてマスクを外すことを基本とする」との通知を各学校長に出した。小池百合子知事は「みんなの笑顔が分かる思い出に残る卒業式になれば」と話した。