2022年、楽天モバイルが着手した「血の入れ替え」も順調のようだ。

三木谷会長は「解約するユーザーの大半が1GB以下のユーザーで全体の70%ぐらい。言い方は難しいが、ポイント狙いのユーザーが多数いた。そういったユーザーではなく、楽天のロイヤルカスタマーを狙いたい」と語るのだ。

既存3社のオンライン専用プランに対抗しようと、ゼロ円から契約できるプランを提供したものの、データをほとんど使わない、回線の維持を目的にしたユーザーが群がってしまった。

2022年、3GB以下で1078円から始まるプランに切り替えることで、ゼロ円を目的としたユーザーを排除し、「キチンとお金を支払ってくれるユーザー」だけにターゲットを絞った。

特に、楽天経済圏にどっぷりと浸かり、楽天ポイントを集めているユーザーに、いかに楽天モバイルを契約してもらうかが、楽天モバイル浮上のカギとなる。

実は楽天経済圏の月間アクティブユーザーは3900万人となっている。しかも、楽天ポイントは2022年に6200億ポイントも発行されており、失効率は2%と極めて低い。

楽天モバイルを契約すると、さらに楽天経済圏にある他のサービスを平均2.61個、追加で利用するようになり、また楽天市場における流通総額も平均で年間3万7683円増えるとされている。

楽天グループの命運は「3900万人次第」

楽天経済圏の月間アクティブユーザーである3900万人の何割かが、既存3社やMVNOから楽天モバイルに乗り換えてくれさえすれば、楽天モバイルの経営は好転する。

楽天モバイルを契約することで、楽天グループの他のサービスも使うようになる、ということで、楽天経済圏がさらに拡大していくことになる。

三木谷会長は「SPUプログラムに楽天モバイルが入った。この認知がまだ進んでいない。楽天モバイルに入るとポイントが増えることをアピールしていきたい」と語る。

まずは月間アクティブユーザー3900万人を、一人でも多く楽天モバイルユーザーに転換してもらうことが、楽天モバイルが生き残るための近道となる。

つまり、赤字続きの楽天グループの命運はこの3900万人が握っているということだ。
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