【パリ時事】フランス上院(定数348)は16日、マクロン政権が提出した年金改革関連法案を賛成多数で可決した。年金受給開始を現在の62歳から64歳に引き上げるのが主な内容で、法案は同日中に国民議会(下院、定数577)に送られる。

 実質的な定年延長に反対する労働者は連日、デモを実施している。首都パリでは、ごみ収集員らのストで黒いポリ袋など「約8000トン」(地元テレビ)が路上に山積み。労組は抗議行動を当面続ける構えだ。

 下院では、少数与党が中道右派政党の協力を得て法案の可決を目指している。過半数の確保が難しい場合、ボルヌ首相は投票なしでの法案通過手続きを定めた憲法の特例を発動する可能性がある。
 仏憲法49条3項は、首相の責任で採決を省略して社会保障費関連法案を「採択されたと見なす」ことができると規定。ただ、これに続いて野党が内閣不信任決議案を提出し、可決されると法案は否決となる。

時事通信 2023年03月16日19時25分
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