安倍晋三元首相が銃撃された現場を含む奈良市の近鉄大和西大寺駅北側の整備事業が31日、完了した。一帯は車道として整備され、「慰霊の場」の意味合いも込めた花壇を近くに設置した。

安倍氏が倒れた場所は歩道に接した車道の外縁部で、仲川げん市長は「走行車線から少し離れており、100点満点ではないが一定の配慮はできた」としている。この日朝、散歩中に新設の花壇に目をとめ、手を合わせる住民の姿も見られた。近くに住む女性会社員(48)は「毎朝の通勤の際に黙礼し、弔意を示したい」と話した。

安倍氏は昨年7月8日、駅北側で参院選の応援演説中に銃撃され、死亡した。仲川市長は現場付近に慰霊碑を建立することも検討したが、さまざまな意見が寄せられ、「世論の分断」などを理由に見送った。自民党関係者らは「事件を後世に伝えるべきだ」として、現場付近に独自に慰霊の場を設置することを検討している。

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