HBC 2023/4/14 18:13
https://www.hbc.co.jp/news/9ae3c60a6cf07453ff989815bcaf9515.html

地球温暖化を考えるシリーズ「1.5度の約束」。札幌で15日から、G7=主要7か国気候・エネルギー・環境大臣会合が開かれます。温暖化の原因、二酸化炭素の排出を抑える「脱炭素」、北海道で進む取り組みです。  

国連のIPCC=気候変動に関する政府間パネルが去年発表した報告書です。「今のままの対策では今世紀末までに3.2度、気温が上昇する」。危機的な状況が記されていました。
気象庁も、2030年には地球全体で1.5度、気温が上がると警鐘を鳴らします。

札幌管区気象台 地球温暖化情報官 河原恭一さん
「数字だけ見てしまうと、なんだ1度かと思ってしまうかもしれないが、暑い年はもっと暑くなると考えた方がいい、待ったなしの対策、いろいろな研究もやらないといけない状況」  


5000人の人口に対し、およそ8倍の4万頭の牛がいる十勝の上士幌町。
悩みの種は、処理が難しい牛の「ふん尿」です。

牧草地に放置するしかなく、きつい臭いを発するばかりか、温暖化の原因となるメタンガスが放出されます。このやっかいものを電力に変える「バイオガス発電」を取り入れる牧場が増えています。

ドリームヒル 宗像勇輔バイオ課長
「厄介者扱いされているものをエネルギーとして利用できることは可能性が大きい」

4000頭の牛を飼育する牧場で1日に出るふん尿は300トン。
集めたふん尿を約40度で発酵させて出るメタンガスを、タービンで回転させて発電させます。このバイオガス発電を導入して、牧場で使う電力をほぼ賄うことができるようになったといいます。

ドリームヒル 宗像勇輔バイオ課長
「電気の問題や燃料高騰もあるので、ふん尿で電気が起こせるならそれはいいことでは」  

上士幌町も、バイオガス発電の運営に乗り出していて、電力を売ることで得られる収入源として期待を寄せています。

上士幌町 竹中貢町長
「電気を自前で作って自前で消費することになれば、見える形で経済的なメリットにもつながる、SDGsや脱炭素に具体的な成果を上げていくことが、上士幌町の価値を高めていく」  

気温上昇を食い止め、やっかいものを地域の資源に変える取り組みが芽生えています。