トヨタ自動車は28日、子会社のダイハツ工業がトヨタブランドの車を含む海外向け車種で認証不正があったと明らかにしたことを受け、オンラインで記者会見を開いた。グループでは、日野自動車や豊田自動織機でも認証不正が発覚しており、これまで築いたブランド力に傷が付きかねない状況だ。会見には豊田章男会長、佐藤恒治社長が顔をそろえるなど首脳陣の危機感は強い。

 豊田氏は会見で「車にとって最も大切な安全に関わる問題だ」とした上で、「世界中の顧客とすべての関係者に心よりおわびする。本当に申し訳ない」と陳謝した。
 豊田氏は今回の不正について「トヨタブランドの車で発生した問題でもあるので、ダイハツだけでなくトヨタも含めた問題だ」と強調。相次ぐ認証不正を受け、豊田氏自身が中心となってグループの法令順守体制やガバナンス(企業統治)の見直しに取り組む考えだ。
 一方、佐藤氏は不正が起きた背景として、認証の取得を担う部署と開発や実験をする部署が同一組織にあるなど、開発環境面の問題を指摘。「トヨタとして認証業務の総点検に全力で取り組む」と語り、事実の把握や原因究明を急ぐ方針を示した。

時事通信 2023年04月29日09時37分
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