ウクライナ東部の激戦地バフムートで戦っているとみられるロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は5日、戦闘に必要な弾薬の7割が不足しているとして、ロシア国防省に弾薬を供給するよう改めて訴えた。

 動画はプリゴジン氏が経営する別企業のテレグラムアカウントに投稿された。暗い森のような場所で撮影され、迷彩服姿の男性が少なくとも数十人、動かないまま横たわっている。血を流している男性も多く、遺体とみられる。

 その様子をうつす映像が流された後、プリゴジン氏はカメラに向かい、「お前らは高級クラブに座り、お前らの子どもはユーチューブ動画を撮って人生を楽しんでいる」と批判。ロシア国防省を念頭に置いているとみられる。

 また、「俺は簡単な計算の話をしている。弾薬の割り当て分を渡せば、死者は5分の1ほどになるはずだ」と主張。横たわる男性たちを指さし、「こいつらは志願兵としてここに来て、お前らが高級木材でできたオフィスの中で太るために死んでいく」と激高した。

 約2分の動画の最後には「ショイグ! ゲラシモフ!」とロシアの国防相、参謀総長を呼び捨てにした上で、「弾薬はどこだ!」と激しい口調で述べ、弾薬の供給をせかした。

 プリゴジン氏とロシア国防省は、これまでもたびたび対立が指摘されてきた。プリゴジン氏は1日に投稿した動画でも「もしワグネルが死ぬ運命にあるとすれば、それはウクライナ軍やNATO(北大西洋条約機構)ではなく、国内のくず官僚たちのせいだ」と主張していた。(藤原学思)

朝日新聞 2023年5月5日 17時30分
https://www.asahi.com/articles/ASR555H7RR55UHBI013.html