2023年6月6日 06時00分

 4月23日投票の東京都大田区議選で初当選した寺田一智区議(44)=れいわ新選組=の選挙運動用はがきを巡り、「応援していないのに無断で名前を使われた」と区内の男性(38)が問題視している。寺田区議側は取材に「誤って名前を使ってしまった」と弁明しているが、法的に問題はないのだろうか。(佐藤航)

 「あなたが頑張っているので、寺田さんに投票しました」。男性は投開票日の数日前、期日前投票を終えた知人から連絡を受け、耳を疑った。この知人の元に届いたはがきの表面にある「私も応援しています」の欄に男性の名前が書かれていたという。ところが、今回は応援していない。

◆亡くなった人の名前も

 男性は福祉団体の代表で、福祉業界だけでなく地域に顔が広い。前回の区議選では寺田区議を応援したが、今回は立場の違いから応援要請を断っていた。男性が事務所に問い合わせると、スタッフから「手違いで推薦人リストに名前が残ってしまった」と説明を受けた。不審に思って調べたところ、寺田区議側が亡くなった人の名前を勝手に使っていたことも判明した。

 男性は「公職選挙法に抵触するのでは」と、警視庁池上署に相談している。

 寺田区議側は取材にメールで回答した。応援しているわけでもない男性と亡くなった人の名前を使って約30枚のはがきを送ったことを明らかにし、「選挙準備などで忙しく、寺田自身による最終確認を怠った。区議として働くことで責任を果たしたい」と辞職は否定した。池上署は取材に「個別案件には答えられない」としている。

 公選法の虚偽事項の公表罪は、候補者の職業や経歴、候補者への推薦や支持に関してうその内容を公にすることを禁じている。違反すれば2年以下の禁錮または30万円以下の罰金が科され、有罪が確定すれば当選は無効となり失職する。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/254797