夫のドメスティックバイオレンス(DV)から逃れて熊本市に移住した女性に対し、市が住所の閲覧制限などの「支援措置」を断り、避難先が記載された納税関係書類を夫の求めに応じて送付していたことが8日、分かった。女性は転居を余儀なくされたが、市は「対応に違法性はない」としている。

女性の代理人弁護士によると、夫は女性に食べ物を投げたり平手でたたいたりすることがあり、娘に手を上げたこともあった。
身の危険を感じた女性は今年1月、熊本市内の親族宅に避難して住民票も移し、警察に相談していた。

女性は2月、中央区役所に支援措置を申請したが、担当者は「加害者が既に知っている(親族などの)住所の閲覧制限はできない」と拒否。
女性は「夫は私が住んでいる事実を知らない」と訴えたが、聞き入れられなかったという。

市納税課は5月中旬、夫から「妻名義の書類を送ってほしい」と依頼を受け、女性に確認しないままバイクの納税通知書を送付。
数日後、女性は夫から「あなたの住所が分かりました」とのはがきが届いたため別の場所に避難した。今は離婚調停を申し立てている。

《中略》

県弁護士会両性の平等委員会の前委員長で、DV問題に詳しい阿部広美弁護士(熊本市)は「加害者が複数ある親族の家から探すのと、ピンポイントで居場所が分かるのは大違い。市の対応はしゃくし定規で甘い」と指摘している。(植木泰士)

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DV加害者の夫に避難先の住所記載書類を送付 熊本市 女性の「支援措置」も拒否、訴え聞き入れず
熊本日日新聞 |2023年6月8日 19:23
https://kumanichi.com/articles/1071945