中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題を巡り、26日に副社長を辞任した兼重宏一氏(35)が過去に損害保険ジャパンに在籍していたことが27日、わかった。損保ジャパンが産経新聞の取材に対し、事実関係を認めた。両社の関係の深さを問題視する声が一層強まりそうだ。

兼重宏一氏は同じく26日付で社長を辞任した創業者の兼重宏行氏(71)の長男で、降格処分を連発するなどして現場に強い圧力をかけていたとされる。損保ジャパンはビッグモーターに他社よりも多い37人の出向者を送っており、不正を見抜けなかった責任を問う声が上がっている。

損保ジャパンによると宏一氏は「(不正請求問題に関係するような)営業や保険金査定の部門には属していなかった」という。在籍していた時期や具体的な部署は明らかにしなかった。

ビッグモーターは自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の契約手続きを担う保険代理店で、損害保険各社から誘導される車両数に応じて契約を割り振るという近しい関係だった。損保ジャパンはビッグモーターに出向者を37人、東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険はいずれも3人送っていた。

昨年6月には不正請求の疑いが発覚して各社はビッグモーターへの事故車両の誘導を取りやめた。ただビッグモーターが不正ではなく現場の技術不足などが原因と説明し、損保ジャパンだけがすぐに誘導を一時再開。ビッグモーターとの密接な関係が取り沙汰されている。

産経ニュース
2023/7/27 11:47
https://www.sankei.com/article/20230727-HMOUJDE4SJNQLNEIMEWAMTLEYQ/