※2023年8月29日
ITmedia

本田雅一の時事想々

「AFURI」をめぐる商標権争いが、係争相手の吉川醸造によって表面化し、炎上している。ネットでは、商標権を保有するAFURIへの批判的な意見が多い。なぜ、AFURIは当たり前の権利を主張しているのに炎上したのか。

 首都圏に通うビジネスパースンやラーメン好きにはなじみある「AFURI」というお店。ゆずの香りが漂う黄金色のスープが特徴の淡麗な味わいの一杯は、多くのファンに支えられており、国内外に展開。リッツカールトンとのコラボレーションした超高級ラーメンも話題になった。最近は日清食品と共同開発したカップ麺が、全国のスーパーマーケットなどにも流通し、そのブランドも全国区になってきていた。

 ところが、そんな「AFURI」をめぐる商標権争いが、係争相手である吉川醸造のニュースリリースにより表面化すると、大炎上を始めた。商標権を保有しているAFURIに対する批判的な意見が多くを占めている。

 筆者自身、最初に吉川醸造のニュースリリースを読んだ際には「やりすぎではないのか?」あるいは「強引すぎるのでは?」と疑問を感じていた。一方でAFURI自身の主張は正当なものであり、粛々と物事を進めることで「すぐに沈静化するのでは」とも見ていた。ところが事態はAFURIにとってよくない方向へとどんどん動いている。

 両社の商標権に関する係争は、いずれ法廷でその結論が出るだろうが、AFURIという商標そのものはAFURI自身が所有していることは間違いない。しかし“正しい手順”を踏んでいることと、商標権をめぐる係争が第三者からどのように見えるかは、全く別の視点が必要になる。

 当たり前のことをしているだけなのに、なぜ炎上するのか。「AFURI」商標権の判断については司法が判断するだろうが、一連の出来事は、当事者以外にとっても学ぶべきことの多い事例といえる。

“正しい行動”がイヤらしく見える理由
 吉川醸造のニュースリリースは、法的な手続きや商標権についてどのような状況であるかといった事実関係の説明よりも、読み手の感情を揺さぶることに重きを置いて書かれている。

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