経財白書で読む「所得増への道」(1)

※2023年9月4日 5:00
日本経済新聞

2023年度の経済財政白書では、自身のキャリアパスへの懸念から女性が夫に高い年収を求める傾向にあると指摘した
政府は日本経済を分析して課題などをまとめた2023年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を公表した。物価や賃金の上昇により、長く続いたデフレからの脱却が近づく。焦点の所得の増加に力点を置いた白書のポイントを解説する。

白書は日本の少子化について①女性人口の減少②非婚化の進行③夫婦の出生率の低下――が「三重の要因」となって進行していると分析した。

このうち非婚化が進む背景として、賃金水準の低さや男女の賃金格差が影響している可能性があると指摘した。総務省の22年の就業構造基本調査をもとに、職に就いている30代男性の所得と未婚率の関係を分析した。

所得が低いほど未婚率が高い傾向が浮かび上がった。所得の低い200万円台の層は64.7%、100万円台で76.3%だった。年収800万円以上の層では17.3%、600万~700万円台で21.4%と、相対的に低い水準にあった。

所得階層によって最大4倍超の差が出た。こうした傾向は12年、17年の調査でもみられた。構造的な賃上げの実現などで若年層の所得向上を図ることが結婚を増やすのに重要になる。

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