賃貸住宅を探す生活保護受給者らを優先的に紹介した見返りに、不動産仲介業者から現金計約61万円を受け取ったとして、大阪府警は31日、同府茨木市の元職員、正瑞(しょうずい)千人容疑者(38)=大阪市東淀川区柴島2丁目=を収賄の疑いで逮捕し、発表した。

 また、不動産仲介業「move」(大阪府箕面市)の代表取締役、茶谷光嗣容疑者(43)=大阪府豊中市上野坂1丁目=を贈賄容疑で逮捕。2人の認否は明らかにしていない。

 発表では、正瑞容疑者は茨木市生活福祉課職員だった2019年7月~21年5月、生活保護者らを優先紹介した見返りに、茶谷容疑者と別の業者1社から4回にわたり現金計約61万円を受け取った疑いがある。別の業者1社はこのうち約11万円の賄賂を渡した疑いがあるが、贈賄罪の公訴時効(3年)が成立している。

 捜査2課によると、正瑞容疑者は当時、生活保護者らの自立支援や住居確保の助言指導などを担当。業務で茶谷容疑者らと知り合ったという。昨年2月に自己都合で退職していた。

 茨木市は「市民の信頼を大きく損ない、深くおわび申しあげる」とのコメントを出した。(華野優気、高井里佳子)

朝日新聞デジタル
2023年10月31日 17時32分
https://www.asahi.com/articles/ASRB05RX8RB0PTIL006.html