「プリンを買っただけで叩かれる」松川るい炎上だけじゃない…野田聖子が危惧する"執拗な女性攻撃"の真因 男性の悪事は「ああ、またか」となるのに…
男性の悪事は「ああ、またか」となるのに | PRESIDENT
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2023/12/01 8:00

 自民党女性局を率いる松川るい参議院議員が女性局のフランス研修で、エッフェル塔ポーズで撮った写真をSNSに投稿して大炎上したのは、2023年8月のこと。その後松川氏は女性局長を辞任した。野田聖子氏は「松川議員の政治活動を知らないで、一枚の写真ですべてを決めてしまわないでほしい。反省の意を示しても叩かれ続け、特に女性に対する世の中の叩き方は執拗だ。これでは議員を目指す人のやる気を削ぐのではないか」という――。

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女性議員がここまで叩かれる理由

まず松川るい議員の炎上問題からお話ししましょう。

炎上したのは、テレビや新聞などのオールドメディアではなくSNSですよね。SNSは炎上するほどフォロワーが増えるという特質がありますから、炎上するのはやむを得ません。私も先日、東京駅の売店で買ったプリンとサンドウィッチをSNSに投稿したら「自分の金で買ったのか」などとすごく叩かれましたから。

SNSのこわいところは、投稿した画像が独り歩きして錯覚させてしまうところ。見る人の目を曇らせてしまうのです。

松川議員を批判した人も、彼女の普段の政治活動や人柄を知ろうともせず、写真一枚で決めてしまうことに違和感を覚えます。反省の意を示しても、これでもかというほど叩かれる。SNSはそういう世界ですから、あまりそこをスタンダードに考えてほしくないですし、それにオールドメディアがのってしまうこともこわいですね。


マイノリティを総攻撃して何が生まれるのか

それにしても、なぜあそこまで炎上したのか。もはや男性の悪事というのは、メディアのほうも「ああ、またか」とある意味での諦めや慣れが生じており、あまりニュースになりません。でも女性は少数だから、ニュースとしてはイレギュラーになる。だから女性に対する叩き方が執拗しつようですよね。そこまでやって何が生まれてくるのかなと思うくらい。

今の女性議員には小さい子どもを持つ人も多く、彼女たちが叩かれて傷つくのは、彼女の子どもたちです。子どもたちが傷つくことは母としては耐えがたい。そこは女性議員同士でも支え合いますが、こういう失敗が許されずに、女性議員のいっときのふるまいを総攻撃することは、その背後にいる子どもたちの心まで攻撃していることになりますし、議員を目指す女性のやる気を削ぐことにもなるのではないでしょうか。

少子化は国防の危機

結局、女性議員が増えないと何が起こるのか。女性国会議員が1割のままだと、この先どうなってしまうのか。それは少子化問題が一向に解決されないということに繋がります。

何となく「今の日本の不安材料は少子化だよね」ということは、多くの人が認識していると思いますが実際、少子化は不安材料どころか「国防の危機」なんです。

30年前は、これほど高齢化でもなかったし、少子化でもなかったし、低成長経済でもなかった。昔はこれだけの人がいて、これだけのことができた、という環境がありました。しかし今は人手不足で、昔できたことができなくなっています。

たとえば、2025年に開催される大阪万博の建設現場では、人手が足りなくて人件費が高騰し、予算建設費を大幅に上回るということが現実的に起きています。また国防についても、本来の危機的なときに前線に立つマンパワーが激減しています。あまり知られていませんが、自衛隊の士の階級の半分近くが約2年~3年を1任期として勤務する任期制自衛官になっているのも事実です。

少子化が国防の危機であるにもかかわらず、男性やいわゆる政策通といわれる人には、その深刻さが伝わっていないのです。


※以下サブタイトルのみ

少子化解決のカギを握っているのは女性で、男性ではない

立候補はけもの道を歩かされるほどの挑戦

地方で足場をつくってから国政に

誰でも政治家になれる可能性がある

女性議員のウエイティングリストを

党の代弁者ではなく有権者の代弁者として

女性が政治活動するのはふつうのこと

 構成=池田 純子

※全文はソース元で