おととし甲府市で夫婦が殺害され住宅が放火された事件の裁判で検察は当時19歳の被告に死刑を求刑しました。
裁判の最後に被告は「控訴はしません。それだけです」と述べました。

甲府市の遠藤裕喜被告は19歳だったおととし10月、甲府市の住宅に侵入して夫婦を刃物で刺して殺害し次女も殺害しようとしたほか住宅を全焼させたなどとして殺人や放火などの罪に問われています。

裁判は被告の責任能力の程度が最大の争点で、きょうの裁判で検察側は計画性や目的に沿った行動から完全責任能力があったと主張しました。

そのうえで「残虐な犯行で反省はなく改善更生の余地はない」として死刑を求刑しました。

改正少年法で18歳と19歳は「特定少年」と位置付けられ、特定少年に死刑が求刑されたのは全国で初めてとみられます。

一方、弁護側は犯行当時被告は心神耗弱だったと訴え、そうでなかったとしても謝罪と懺悔の気持ちを一生背負わせるべきなどとして、死刑にすべきではないと訴えました。

裁判の最後に裁判長に発言を促されると被告は「控訴はしません。それだけです」と述べました。

裁判はきょう結審し、来年1月18日に判決が言い渡されます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8048b477d9f980cbc94b5b237f34cfd472fbd92b