歴史家で作家のマイク・スピックによると、第二次大戦中の航空戦では5%のパイロットによる撃墜が全体の撃墜数の40%を占めた。最も運に恵まれ、最も技量のあるエースパイロットが、偏って多くの戦功をあげていた。

ロシアがウクライナで拡大して23カ月あまり経つ戦争の地上戦でも、同じようなことが起こっている。最も運に恵まれ、最も技量のある兵士が、偏って多くの撃破数を誇っているのだ。

100万人規模のウクライナ軍の中でも、空中強襲軍(空挺軍)第79独立空中強襲旅団のミサイル兵、コールサイン「ハハウズ」ほど、運に恵まれ、技量の優れた兵士はほかに少ないだろう。米国製のFGM-148ジャベリン対戦車ミサイルシステムを2人組で運用するハハウズは、これまでにロシア軍の戦車や装甲兵員輸送車、工兵車両を40両以上撃破し、さらに20両以上を損傷させたと伝えられる。

これらの損害はすべて、彼がウクライナ東部ドネツク州ブフレダル方面の1つの戦域で与えたものである。「自分に与えられた仕事を効果的にやっています」エストニア出身の軍事アナリスト、WarTranslated(@wartranslated)が引用・翻訳している公式インタビューで、ハハウズはそう自信を示している。

彼は第79旅団に数チームあるジャベリンチームの一員だ。ウクライナ軍の地上軍(陸軍)と空中強襲軍には旅団が合計で100個ほどある。

これらの旅団にはジャベリンが大量に配備されている。重量22.3kgのジャベリンは、装甲を貫通するタンデム弾頭と赤外線画像シーカーを備え、最長約3.2km先の車両を攻撃できる。1基8万ドル(約1200万円)ほどするジャベリンは、米国からだけでも1万基がウクライナに供与された。もちろんこれは、米議会のロシア寄りの共和党議員が昨年後半、ウクライナへの支援を断つ前のことだ。

ロシアがウクライナとの戦いでこれまでに被った1万4000両を超える車両の損害のうち、数千はジャベリンによるものである。そして、ジャベリンによる撃破数の数%はハハウズのチームの戦果だとしてもおかしくない。

ハハウズがジャベリンの砲手になったのは2022年の夏だった。「準備を命じられ、目標を見て、発射しました」と彼は振り返っている。「すると命中したんです。そうして、血の味を覚えました」

続く18カ月、ハハウズはジャベリンをロシア軍の車両に月に3発以上命中させてきた。前線から離れた期間を差し引けばその数はもっと増えるはずだ。戦闘に従事している期間は毎週、ロシア軍の戦車や歩兵戦闘車などを爆破しているかもしれない。(以下ソース

2/7(水) 10:30配信 Forbes JAPAN
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