学歴詐称問題のその後にも、触れておきたい。本書の出版後から大きな話題となり、2020年6月の都議会でも追及されたが、小池氏は説明を避け続けた。そうした中で6月9日、駐日エジプト大使館のフェイスブック上に突如、「カイロ大学は正式に小池百合子氏の卒業を認める」という不可解な文書が発表され、これを朝日新聞などが、「カイロ大学が声明を発表」と報道した。その結果、カイロ大学が小池氏の卒業を認めた、小池氏は卒業しているのだ、と社会は納得させられ、学歴詐称問題は沈静化していった。
 だが、そもそも、この「声明」がどのような意図に基づき、誰によって出されたものなのか。本文庫化においても注として本文に追記したが、小池側からその後公開された卒業証書に書かれている文面の疑問点について、日本のメディアは何も検証をしていない。私と文藝春秋は「声明」が出された背景を知るために、カイロ大学、また、在エジプト大使館に連絡を入れたが、担当者が応じることはなかった。


卒業証書に怪しいところがあるって説は前からあったよなぁ