富山ライトレールがICカード乗車券の利用者に限り、係員が運賃収受をチェックしない「信用降車」方式を終日に拡大します。乗降が円滑になるメリットがありますが、不正乗車の心配はないのでしょうか。
■ワンマン運転では運転士が運賃収受を見届けるが…
富山ライトレール(富山市)が、朝ラッシュ時のみ実施していた「信用降車」と呼ばれる方式を2017年10月15日(日)から終日に拡大します。
富山ライトレールの富山駅北駅
https://contents.trafficnews.jp/image/000/012/919/171011_toyama_01.jpg
富山ライトレールは富山駅北駅と岩瀬浜駅を結ぶ約7.6kmの路線で、路面電車タイプの2両編成(2連接車体)によるワンマン運転が行われています。
路面電車やバスの停留所は多くの場合無人であり、一部を除き自動改札機や係員などによる改札や運賃収受は行われません。富山ライトレールも同様で、通常は後部車両側のドアから乗車し、運転士がいる先頭車両側で運賃を支払って降車する方式です。列車の運転士が運賃の収受を見届けます。
ただ同社では、朝ラッシュ時に「passca(パスカ)」などのICカード乗車券利用者に限って、後部車両側ドアからの降車も可としていました。この方式を富山ライトレールでは「信用降車」と呼んでいますが、後部車両側ドアからの降車を認めてしまうことは、運転士の目が届きにくくなるため不正乗車されるリスクも高まります。これを終日に拡大するという富山ライトレール、どのように考えているのでしょうか。
■マナー良好? 文字どおり「お客様を信用」
「信用降車」を拡大する背景について、富山ライトレールに聞きました。
――そもそも「信用降車」をなぜ始めたのでしょうか?
朝ラッシュ時の乗降時間を少しでも短縮するためです。平日の始発から朝9時までは、後方扉付近に設置したICカード読み取り機を作動させ、ICカード乗車券をご利用のお客様に限り、後方扉側での支払いと降車を認めています。
――なぜ終日に拡大するのでしょうか?
ICカード定期券の利用率が高まったことなどから、利便性向上の一貫として実施するものです。
――ICカード利用者以外も不正に乗降できてしまうと思いますが、どのように対策されるのでしょうか?
不正乗車に対しては3倍の運賃を設定していますが、駅や車内での係員によるチェックは特に行っていません。そもそも当社線の片道運賃は現金で大人200円均一、3倍といっても600円です。「信用降車」は、文字通りお客様を「信用」して実施しています。
2017年10月15日からの富山ライトレールにおける乗降イメージ。ICカード利用者は前方、後方どちらの扉からも降車が終日可能になる
https://contents.trafficnews.jp/image/000/012/920/171011_toyama_02.jpg
※ ※ ※
「信用降車」実施中の後方扉は、乗車する人と降車する人が交錯することになりますが、富山ライトレールによると、利用者には「降りる人優先」のマナーが根付いているのだそう。「新たなお客様が多い春先には、2週間ほど駅に立って乗車指導を行いますが、それ以外で駅などにおいて後方扉の乗降マナーを指導するような掲示は特に行っていない」そうです。また、信用降車実施中の不正乗車が少ないことからも、終日への拡大に至ったといい、利用者の「マナーのよさ」も決断の要因につながっているようです。
配信2017.10.14
乗り物ニュース
https://trafficnews.jp/post/78786
■ワンマン運転では運転士が運賃収受を見届けるが…
富山ライトレール(富山市)が、朝ラッシュ時のみ実施していた「信用降車」と呼ばれる方式を2017年10月15日(日)から終日に拡大します。
富山ライトレールの富山駅北駅
https://contents.trafficnews.jp/image/000/012/919/171011_toyama_01.jpg
富山ライトレールは富山駅北駅と岩瀬浜駅を結ぶ約7.6kmの路線で、路面電車タイプの2両編成(2連接車体)によるワンマン運転が行われています。
路面電車やバスの停留所は多くの場合無人であり、一部を除き自動改札機や係員などによる改札や運賃収受は行われません。富山ライトレールも同様で、通常は後部車両側のドアから乗車し、運転士がいる先頭車両側で運賃を支払って降車する方式です。列車の運転士が運賃の収受を見届けます。
ただ同社では、朝ラッシュ時に「passca(パスカ)」などのICカード乗車券利用者に限って、後部車両側ドアからの降車も可としていました。この方式を富山ライトレールでは「信用降車」と呼んでいますが、後部車両側ドアからの降車を認めてしまうことは、運転士の目が届きにくくなるため不正乗車されるリスクも高まります。これを終日に拡大するという富山ライトレール、どのように考えているのでしょうか。
■マナー良好? 文字どおり「お客様を信用」
「信用降車」を拡大する背景について、富山ライトレールに聞きました。
――そもそも「信用降車」をなぜ始めたのでしょうか?
朝ラッシュ時の乗降時間を少しでも短縮するためです。平日の始発から朝9時までは、後方扉付近に設置したICカード読み取り機を作動させ、ICカード乗車券をご利用のお客様に限り、後方扉側での支払いと降車を認めています。
――なぜ終日に拡大するのでしょうか?
ICカード定期券の利用率が高まったことなどから、利便性向上の一貫として実施するものです。
――ICカード利用者以外も不正に乗降できてしまうと思いますが、どのように対策されるのでしょうか?
不正乗車に対しては3倍の運賃を設定していますが、駅や車内での係員によるチェックは特に行っていません。そもそも当社線の片道運賃は現金で大人200円均一、3倍といっても600円です。「信用降車」は、文字通りお客様を「信用」して実施しています。
2017年10月15日からの富山ライトレールにおける乗降イメージ。ICカード利用者は前方、後方どちらの扉からも降車が終日可能になる
https://contents.trafficnews.jp/image/000/012/920/171011_toyama_02.jpg
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「信用降車」実施中の後方扉は、乗車する人と降車する人が交錯することになりますが、富山ライトレールによると、利用者には「降りる人優先」のマナーが根付いているのだそう。「新たなお客様が多い春先には、2週間ほど駅に立って乗車指導を行いますが、それ以外で駅などにおいて後方扉の乗降マナーを指導するような掲示は特に行っていない」そうです。また、信用降車実施中の不正乗車が少ないことからも、終日への拡大に至ったといい、利用者の「マナーのよさ」も決断の要因につながっているようです。
配信2017.10.14
乗り物ニュース
https://trafficnews.jp/post/78786