0001上級国民 ★2021/08/29(日) 17:48:07.27ID:CuExhn/Y9
アングル:「デジタル・デトックス」は幸福をもたらすか
https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2FS0DR
[25日 トムソン・ロイター財団] - オンラインでのイベントから仕事の打ち合わせに至るまで、いつも画面を眺めてばかり。ウンザリしたアンナ・レッドマンさん(29)はボーイフレンドと共に、ロンドン郊外にある木造のキャビン(小屋)に向かった。スマホを封筒に封印し、ネットに接続せずに3日間を過ごした。今年初めの話だ。
「数日間、まったくネットにアクセスせずに過ごすというのはとても魅力的に感じた」とレッドマンさん。広報関係の仕事に就く彼女は、新型コロナウイルスに伴うロックダウンで、他人との接触がほぼすべてオンラインに移行する中で、「デジタル・デトックス」を切望するようになっていた。
このカップルだけでなく、一時的にテクノロジーから距離を置くことを選択する人は増えている。パンデミックが「テクノロジー疲れ」を加速し、そうした需要に対応するための製品・サービスも次々に生まれているからだ。
一時的にデバイスの使用を禁じるアプリから、ゲストによるWiFiアクセスを制限する贅沢な保養施設、テーブルでのスマホの使用を禁じるレストランに至るまで、この種のソリューションは、リアルな生活との接点を回復することが幸福増進につながると約束している。
パンデミック前でさえ、近年はデジタル・デトックスへの関心が着実に高まっていた、と業界の専門家は指摘する。
2018年、市場調査会社GWIが英国・米国の4000人以上を対象に行った調査によれば、5人に1人はデジタル・デトックスの経験があり、70%の人はオンラインで過ごす時間を制限しようと試みていた。
英国のスタートアップであるアンプラグドは、ロンドン近郊で「オフグリッド」(ネット接続不可)を謳うキャビンを複数管理している。レッドマンさんが滞在したのもその1つだ。2020年に最初の1カ所を開設、今年はさらに5つのロケーションが加わったが、共同創業者のヘクター・ヒューズ氏によれば、夏季はすべて予約で埋まっているという。
ヒューズ氏はトムソン・ロイター財団の取材に対し、「人々は心から『休暇』を欲している。ロックダウンに伴い、ずっと画面を見ながら過ごしていたことの直接的な結果だと考えている」と語った。
「都市生活から1時間も離れれば、我々のキャビンがある。訪れた人々はスマホを箱に入れ、南京錠で封印する。地図とノキアの端末を渡し、それだけで3泊過ごしてもらう」
<デジタル逃避だけでは「ナンセンス」の声も>
テクノロジーから離れることは、睡眠障害や不安、抑うつへの対策につながるとして、全般的な幸福を増進する1つの方法と位置付けられる場合が多い。
だが、そうした見方に懐疑的な研究者もいる。
米国における「オフグリッド保養」を研究してきたデジタル人類学者のセオドラ・サットン氏によれば、喧伝されている効果は、単にテクノロジーから離れることだけではなく、他の要素と関連している場合が多いという。
「『森のなかで週末を過ごして気分が改善された』と人々は言うだろうが、彼らは休日を楽しんできたのだ」とサットン氏は言う。
「単にテクノロジーを遠ざけ、何かで代替しないとしても、自動的により良い生活が送れるわけではない」
グリニッジ大学で観光・ホスピタリティー産業論を教えるウェンジー・カイ氏は、デジタル・デトックスで過ごす休日に注目した研究を行っているが、デジタル・デトックスの体験は「感情を大きく揺さぶる」と語る。
同氏によれば、そうした休日の体験者は、滞在の最初にスマホを手放すときと、最後に再びスマホを手にするときに、高いレベルの不安を感じたと報告しているという。
英ラフバラ大学が2019年に行った研究では、24時間の「禁スマホ」では、気分や不安に何の影響も見られないとしている。
今年オックスフォード大学の研究者らが行った類似の調査における参加者からは、ソーシャルメディアから1日離れても、自己肯定感や満足感の増大といった個人的な幸福が増進したという報告はない。
この調査論文の主執筆者である、オックスフォード大学インターネット研究所の実験心理学者アンドリュー・プルジビルスキー氏は、デジタルテクノロジーがメンタルヘルスに与える影響は誇張されている場合が多い、と話している。
「スマホの電源を切るといったシンプルな小技がもっと幸福な人生につながるなどというのはナンセンスである可能性が非常に高い」と同氏は言う。…
続きはソース参照
https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2FS0DR
[25日 トムソン・ロイター財団] - オンラインでのイベントから仕事の打ち合わせに至るまで、いつも画面を眺めてばかり。ウンザリしたアンナ・レッドマンさん(29)はボーイフレンドと共に、ロンドン郊外にある木造のキャビン(小屋)に向かった。スマホを封筒に封印し、ネットに接続せずに3日間を過ごした。今年初めの話だ。
「数日間、まったくネットにアクセスせずに過ごすというのはとても魅力的に感じた」とレッドマンさん。広報関係の仕事に就く彼女は、新型コロナウイルスに伴うロックダウンで、他人との接触がほぼすべてオンラインに移行する中で、「デジタル・デトックス」を切望するようになっていた。
このカップルだけでなく、一時的にテクノロジーから距離を置くことを選択する人は増えている。パンデミックが「テクノロジー疲れ」を加速し、そうした需要に対応するための製品・サービスも次々に生まれているからだ。
一時的にデバイスの使用を禁じるアプリから、ゲストによるWiFiアクセスを制限する贅沢な保養施設、テーブルでのスマホの使用を禁じるレストランに至るまで、この種のソリューションは、リアルな生活との接点を回復することが幸福増進につながると約束している。
パンデミック前でさえ、近年はデジタル・デトックスへの関心が着実に高まっていた、と業界の専門家は指摘する。
2018年、市場調査会社GWIが英国・米国の4000人以上を対象に行った調査によれば、5人に1人はデジタル・デトックスの経験があり、70%の人はオンラインで過ごす時間を制限しようと試みていた。
英国のスタートアップであるアンプラグドは、ロンドン近郊で「オフグリッド」(ネット接続不可)を謳うキャビンを複数管理している。レッドマンさんが滞在したのもその1つだ。2020年に最初の1カ所を開設、今年はさらに5つのロケーションが加わったが、共同創業者のヘクター・ヒューズ氏によれば、夏季はすべて予約で埋まっているという。
ヒューズ氏はトムソン・ロイター財団の取材に対し、「人々は心から『休暇』を欲している。ロックダウンに伴い、ずっと画面を見ながら過ごしていたことの直接的な結果だと考えている」と語った。
「都市生活から1時間も離れれば、我々のキャビンがある。訪れた人々はスマホを箱に入れ、南京錠で封印する。地図とノキアの端末を渡し、それだけで3泊過ごしてもらう」
<デジタル逃避だけでは「ナンセンス」の声も>
テクノロジーから離れることは、睡眠障害や不安、抑うつへの対策につながるとして、全般的な幸福を増進する1つの方法と位置付けられる場合が多い。
だが、そうした見方に懐疑的な研究者もいる。
米国における「オフグリッド保養」を研究してきたデジタル人類学者のセオドラ・サットン氏によれば、喧伝されている効果は、単にテクノロジーから離れることだけではなく、他の要素と関連している場合が多いという。
「『森のなかで週末を過ごして気分が改善された』と人々は言うだろうが、彼らは休日を楽しんできたのだ」とサットン氏は言う。
「単にテクノロジーを遠ざけ、何かで代替しないとしても、自動的により良い生活が送れるわけではない」
グリニッジ大学で観光・ホスピタリティー産業論を教えるウェンジー・カイ氏は、デジタル・デトックスで過ごす休日に注目した研究を行っているが、デジタル・デトックスの体験は「感情を大きく揺さぶる」と語る。
同氏によれば、そうした休日の体験者は、滞在の最初にスマホを手放すときと、最後に再びスマホを手にするときに、高いレベルの不安を感じたと報告しているという。
英ラフバラ大学が2019年に行った研究では、24時間の「禁スマホ」では、気分や不安に何の影響も見られないとしている。
今年オックスフォード大学の研究者らが行った類似の調査における参加者からは、ソーシャルメディアから1日離れても、自己肯定感や満足感の増大といった個人的な幸福が増進したという報告はない。
この調査論文の主執筆者である、オックスフォード大学インターネット研究所の実験心理学者アンドリュー・プルジビルスキー氏は、デジタルテクノロジーがメンタルヘルスに与える影響は誇張されている場合が多い、と話している。
「スマホの電源を切るといったシンプルな小技がもっと幸福な人生につながるなどというのはナンセンスである可能性が非常に高い」と同氏は言う。…
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