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日本近海に広く生息する魚のカサゴ。こちらは鹿児島大学の大学院生が、薩摩半島近海で見つけたものです。実はこのカサゴは国内初確認で、この100年のカサゴ研究の歴史を覆す大発見だったことが分かりました。

鹿児島大学大学院で魚の分類などを研究する和田英敏さんです。先月、日本魚類学会の学術誌に和田さんが発見したカサゴに関する論文が掲載されました。和田さんが国内で初めてとなる2種類のカサゴを薩摩半島近海で見つけたのです。

今回、確認されたカサゴのうち1種類は口の中がまるで墨を塗ったかのように黒いことから、「スミクイアカカサゴ」と命名。もう1種類は体長7センチほどと小型で、体が赤いことから、「アズキカサゴ」と命名されました。
実は今回、この2種類のカサゴを見つけ、研究を進めたことが、これまでのカサゴ研究のおよそ100年の歴史を覆すことになりました。

今からおよそ100年前、カサゴは3種類に分類されていましたが、およそ50年後には外見が似ていることから、アメリカの研究者により、同じアカカサゴとして分類する考え方が「定説」となっていました。
しかし、今回、和田さんが今回見つけた個体について、生息する水深や体の特徴、DNAのデータなどを詳しく調べたところ、やはりそれぞれ別の種類と判明。カサゴの分類が更新されることになったのです。

和田さんは今回、薩摩半島近海の2種類のほかにも、オーストラリアで新種のカサゴを2種類発見していて、今後、さらに生態の解明が進むと期待されています。