>>99
オバマがブッシュの「コンステレーション計画」を中止したのは、
その実現が最早、絶望的に失敗しつつあったからだよ。
日本の公共事業・新国立競技場と同じような状態になっていた。
莫大な資金はまるでブラックホールに吸い込まれるように消えていき、
ロケットや宇宙船の完成は、遥か彼方に霞んで見えなかった。

アメリカの宇宙開発は、本当に「公共事業」だったんだ。
いかに金をたくさん使い、政治家の地元に仕事を受注させるか、だけが重要で、
不合理で困難でデタラメなロケット設計を強行していた。

現在の、新宇宙ステーション計画(月軌道ステーション・火星探査計画)は、
相変わらず公共事業的だけど、オバマ政権はたった一つだけ、良い判断をした。
それは、「民間企業イニシアチブ」だ。
スペースXやオービタルATKなどの民間企業に資金を投げ与え、
民間の知恵と発想で、安い宇宙輸送サービスを実現しようとした。

民間企業イニシアチブの中で出世頭であるスペースXは今、歴史的な成功を収めつつあり、
トランプ政権も熱い眼差しを送っている。
世界第二位の大富豪でAmazonの創立者ジェフ・ベゾスも参入し、この2社が今後の
アメリカの宇宙開発を支えていくと考えられている。

中国の宇宙開発における進歩は驚異的で、既に世界トップ級の大型ロケットを持ち、
シャトルが引退したアメリカが失った「自国の宇宙飛行士を宇宙に送る」能力を持ち、
脇目も振らずに、宇宙強国入りを目指して国家総動員で宇宙開発を行っている。
「21世紀の宇宙競争」が始まっているのだ。