>>675
ちょっと説明がクドい人だけど、早川英男のレポートは結構良いよ。
さすが元日銀マンだね。

日銀の「総括的検証」を読み解く
http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/201610/2016-10-2.html

長期金利ペッグは財政ファイナンスを加速させるとの議論もあるが、日本銀行
[2016d]にも述べられているように、長期金利ターゲットはペッグではなく、
2%目標が近づいてくればターゲットを徐々に徐々に引き上げていくものと理解
している。この点も、あらかじめ明らかにしておくべきだと思う。


第2に、長期金利ターゲットの下では、いずれ長期国債の購入額を減らしていく
ことが必要となるが、これをどの程度のスピードで進めるかは、大きな問題と
なり得る。今回の「検証」の分析にもあったように(日本銀行[2016b]、補論5)、
日銀の国債保有割合が高まれば、長期金利低下圧力が働く(=ストック効果)
と考えるのが常識的だ。

その場合、長期金利の安定には現在の80兆円ペースから大幅な減額が必要となる。
しかし、あまりに急速な減額はリフレ派委員の反対だけでなく、金融緩和後退
との見方から大幅な円高につながるおそれがある。

実際には、日銀はできるだけゆっくり減額するよう努力するに違いない。とはいえ、
単に問題を先送りするのではやがて身動きが取れなくなるだろう。