トランプ米政権発足後に設置された日米経済対話の初会合が18日午後、首相官邸で開かれ、両国主導による貿易・投資ルールづくりやインフラ整備などで協力することで一致した。

米側代表のペンス副大統領は会合終了後の共同記者会見で、両国の対話が「自由貿易協定(FTA)交渉に発展する可能性がある」と発言。
今後の協議で農産物や自動車の市場開放を日本に強く求める可能性を示唆した。

2回目の会合は年内に米国で開催する。次回以降、日米の利害が対立する通商問題をめぐり、厳しいやりとりが行われそうだ。

経済対話は2月の日米首脳会談で設置が決まり、18日は双方の責任者である麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領が会談した。
日本が警戒していた為替政策をめぐる議論は出なかった。 

麻生氏は会合後の記者会見で、経済対話の開始を受け「日米関係は摩擦から協力に変わっていく」と説明。
貿易・投資分野の協力については「日米のリーダーシップでアジア太平洋に自由で公正な貿易ルールを広める」と多国間の取り組みの意義を強調し、日米2国間の通商交渉への言及を慎重に避けた。

これに対しペンス氏は、トランプ政権が離脱を決めた環太平洋連携協定(TPP)は「過去のものだ」と断言。
その上で「2国間交渉は米国にとって国益だ」と述べ、日米FTA交渉に入る意欲をにじませた。通商交渉をめぐり、日米の温度差が早くも露呈した格好だ。

会合後に両国政府が発表した共同声明は、(1)貿易・投資ルールに関する共通戦略(2)経済・構造政策の協力(3)インフラなど分野別協力−の三つを柱に議論を進める方針を示し、「近いうちに具体的な成果をもたらす」と明記した。
分野別協力の具体化に当たっては、日本の技術力を生かした米での高速鉄道整備や米のエネルギー輸出といった個別分野での協力を通じ、米国内の雇用創出を後押しする方針だ。

配信 (2017/04/18-20:33)

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