最近まで、アメリカに到達する可能性がある北朝鮮の唯一のミサイルは中距離弾道ミサイルのムスダンのみだった。
それもグアムまでだ。
ムスダンは大した脅威ではない。
だが北朝鮮はKN-08、KN-14という移動型のICBMという手ごわい兵器を開発しているようだ。
KN-08は12年にパレードで披露されたが、当時はただの模型だと考えられていた。
その後の開発情報で、KNミサイルの開発が現実であったことが分かった。
北朝鮮はこのミサイルエンジンの地上実験画像を公開しており、それはこれまで北朝鮮が公開したものより強力で効率がいいものだった。

当面、北朝鮮は短距離ミサイルシステムに集中するつもりのようだ。
今年最初のICBM発射実験を行うとしたら、それは驚きだろう。
そして最初の実験が成功するとしたら、もっと驚きだ。
北朝鮮のミサイルの最初の発射実験は、たいてい失敗する。
ここまで複雑なミサイルは、運用可能な状態になるまで数年かけて何度も発射実験を重ねる必要がある。
長距離ロケット銀河3号を打ち上げたように、辛抱してやり抜けば北朝鮮はKN-08またはKN-14を実用化できるかもしれない。
だがすぐには無理だ。
実戦レベルのICBMが完成するのは早くても20年頃だろう。
(ニューズウィーク 2017年04月25日号)より